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あなたが毎日飲んでいるそのサプリ、ホントに効いてますか?

「サプリメントの効用をうたい、根づかせた人間として、今のブームに責任を感じます」と反省の弁を述べるのは、神戸大学で栄養化学を教える金沢和樹先生。30年も前に食べ物の「発がん抑制成分」を発見したものの、当時は誰も信じなかったとか。「今は多くの研究者が競って開発しています。でも加熱しすぎて、体に必要ないもの、摂っても効果が期待できないものまで売られている」たとえばラットに与えた量を、体の大きい人間が摂っても効果は期待できません。なのに、体に効かない量で商品になることも多いとか。「逆にたくさん飲めば効く、というのも誤解です。そもそもサプリは体には異物だから、すぐ外に出そうとする。排出する過程で、細胞などに働きかけ効果を生みますが、必要以上に摂っても捨てられるだけです」また食事で摂る基本の栄養素、炭水化物やビタミンなどが不足だと、サプリだけ摂っても働かないそう。「とはいえ体に必要なサプリもある。見分ける目と正しい使い方を知ってほしいですね」。そこで人気のサプリの必要度を★で採点しました。基準は効果があるか、副作用がないか、食べ物で代替できるかなどの総合点。賢く取り入れ、健康に役立てて。

今回は「病気・不調に効果的なサプリ」を採点します。

病気・不調に効果的なサプリ

病院に行っても治らない不調の改善や、病気の予防としてサプリを摂っている方は多いはず。人気があったり、よく知られたサプリは、果たして本当に効くのか検証します。

・イソフラボン ★★★☆☆

<更年期・乳がん>食物なら過剰摂取の心配なし
女性ホルモンのような働きで、更年期障害や乳がんの予防に働く「イソフラボン」。過剰摂取を控えるため、サプリは1日70㎎以下とされますが、食品なら心配いりません。大豆製品を食べつけていないと十分活性されないので、納豆1パックか豆乳コップ半分ほどを毎日摂って。摂れないとき、サプリで補充を。

・EPA、DHA ★★☆☆☆

<生活習慣病>肉を食べると働かなくなる
魚の脂「EPA」「DHA」は、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし血行を改善、生活習慣病の予防に働きます。食事で魚介類が少なければ、サプリで補っても。ただ「DHAで頭がよくなる」かは微妙…。動物性脂肪の摂取が多いとDHAは働きませんが、肉類を控えると体力、気力が低下。両立は難しいのです。

・ビタミンC ★★★★★
<免疫力UP>難病の治癒にも働くサプリの王様
CoQ10と並び、サプリで必要度が高いのが「ビタミンC」。実は金沢先生も、難病を1日10gのビタミンC摂取で完治させた経験があるそう。抗酸化力で免疫力をUPさせ、多くの病気改善に作用し、美肌効果も。食事だけでは不足するのでサプリが必須です。粗悪品が多いので、日本の信頼できるメーカーの品を。

・タウリン ★★☆☆☆

<疲労>肝臓の働きを助けエネルギー源に
「タウリン1000㎎配合!」のCMでおなじみの成分。エネルギーを作る肝臓の働きを助け、疲労回復に効きます。ただ、多くの食物に含まれているので、過度の飲酒や栄養の偏りがない限り、サプリは必要なさそう。滋養強壮ドリンクで即効作用を感じるのは、含有のアルコール分が“気つけ薬”になるためです。

・ローヤルゼリー ★☆☆☆☆

<疲労>蜂向けの量で人間には足りない
「女王蜂の特別食」というレア感で人気のローヤルゼリー。花の蜜であるハチミツと違い、働き蜂の分泌物です。栄養をバランスよく含むのは確かですが、ミツバチの50万倍も体の大きい人間には全く足りません。そこでビタミンなどを追加し「特製」と謳っていますが、それならビタミンサプリを摂る方が経済的。

・プロテイン、アミノ酸 ★★★☆☆

<筋力UP>筋肉を作るには成分が少ない!?
体を鍛える人が飲む「プロテイン」「アミノ酸」など、たんぱく質を補うサプリ。筋肉の原料になる成分ですが、一般的なサプリの量は、食事のたんぱく質の10~20分の1以下とわずか。でもサプリで多く摂ると、腎臓の負担に。たんぱく質合成には糖や脂肪も必要なので、運動後、食事で肉や魚を増やす方が有効です。

・プロポリス ★★★☆☆

<風邪>風邪の症状が出たら摂って 
「プロポリス」は、ミツバチが巣作りに使う木の芽などの樹脂で、ポリフェノールを多く含みます。動物実験で大腸がんへの効果が認められましたが、人では心臓が止まる副作用が! 「アルテピリンC」という成分が風邪や咳、口内炎に効果を発揮するので、これらの症状が出たら摂るのが上手な使い方です。

・アントシアニン ★★☆☆☆

<眼精疲労>濃い紫の食材が不足するときに
ブルーベリーやなす、黒豆などの濃い紫の色素は「アントシアニン」という抗酸化成分。目が物を見るとき、光のエネルギーで「ロドプシン」という成分が酸化されますが、これを抑える働きがあります。ただし、大量にまとめて摂っても効かないので、濃い紫の食材を食べられないときのサポートで。

・β-グルカン、フコイダン ★★☆☆☆

<がん予防>予防には働くが治療はムリ
がん細胞が血管を通るとき、捕まえて殺すのが「白血球」です。この白血球を増やしたり、パワーアップさせるのが、きのこに多い「β-グルカン」や、海藻成分の「フコイダン」。予防には働きますが、がんを治すのは無理と心得て。また、がんの主原因は食生活にあるので、きのこや海藻を摂る食事を習慣に。

・ケルセチン、ルチン ★★★☆☆

<高血圧>塩分を血液から追い出す
玉ねぎに多い「ケルセチン」と、そばに含まれる「ルチン」は兄弟のように似た成分。いずれも、血液中に増えすぎた塩分を体外に排出するために働く作用で、高血圧を軽減します。高血圧の人は、そばや玉ねぎを積極的に摂りながら、サプリを利用していきましょう。成分を毎日続けて摂るのが効くポイントです。

・GABA・テアニン ★★★☆☆
<ストレス>イライラ脳の興奮を抑える
癒やし系サプリの中で、効果が期待できるのが「GABA」と「テアニン」。GABAは、ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の分泌を抑えるとされます。テアニンにも同様のリラックス効果が。一度摂ると3日くらい効果が持続するそう。またGABAは漬物など植物系の発酵食品、テアニンは緑茶からも摂れます。

・セントジョーンズワート ★★★☆☆

<うつ病>独では抗うつ剤よりポピュラー
うつ症状に効くと人気の薬草サプリ「セントジョーンズワート」。「ケルセチン」という成分が、脳の血管を刺激し活動性が上がります。ドイツでは、軽度のうつには抗うつ剤より広く処方されているとか。病的な症状には効果がありますが、イヤなことがあって落ち込んでいる、といった状態には効きません。

【お話を伺った方】金沢和樹先生
吉備国際大学地域創成農学部教授。食材の健康機能を数多く発見している、サプリメント研究の草分け的存在。著書に『まちがいだらけのサプリ選び』(双葉社 \1,575)他。