アルツハイマー病<こころの病気>の症状の現れ方

 多くは物忘れで始まります。同じことを何回も言ったり聞いたり、置き忘れ・探し物が多くなって、同じ物を買ってきたりするなど記憶障害が徐々に目立ってきます。それとともに、時や場所の見当識(けんとうしき)が障害され、さらに判断力も低下してきます。意欲低下や抑うつが前景に出ることもあります。
 早いうちは物忘れを自覚していますが、徐々に病識も薄れてきます。そのうち、物盗られ妄想や昼夜逆転、夜間せん妄(もう)、徘徊、作話(さくわ)などの認知症の行動・心理学的症状(BPSD)が加わることが多く、介護が大変になります。
 さらに進行すると、衣類がきちんと着られない、それまでできていたことができなくなるなど、自分のことができなくなり、種々の介助が必要になってきます。また、トイレの場所がわからなくなったり、外出しても自分の家がわからなくなってきます。さらに、自分の家族がわからなくなり、動作が鈍くなり、話の内容もまとまらなくなります。
 そして、歩行もできなくなり、食事も自分でできなくなり、全面的な介助が必要になって、ついには寝たきりとなり、肺炎などの合併症で亡くなってしまいます。
 進行のしかたは人により異なりますが、数年から十数年の経過をとります。

アルツハイマー病<こころの病気>の診断と治療の方法

 薬物療法として現在唯一使用できるのはドネペジル(アリセプト)だけですが、これは進行を遅くする効果を期待して使用されています。同じコリンエステラーゼ阻害薬のガランタミンとリバスチグミンという新薬が治療試験(治験)を終えています。また、ベータアミロイドをとり除くワクチンの開発が進められています。
 一方、非薬物療法もいろいろな試みがなされています(認知症性疾患の項を参照)。これらも進行を遅くしたり、BPSDを軽減するのに役立つことが期待されています。