肺動静脈瘻とはどんな病気か

 心臓から出た血液は、肺動脈→毛細血管→肺静脈と循環して酸素化され、心臓に戻って全身に駆出されます。肺動静脈瘻(はいどうじょうみゃくろう)とは、肺動脈と肺静脈の間に異常な吻合(ふんごう)(つながり)が存在するため、血液が毛細血管を介さずに流れてしまう疾患です。
 異常な血管吻合があると、(1)酸素化されない血液が心臓にもどる、(2)体内で形成された血栓が肺で除去されない、などの問題が起こります。毛細血管はフィルターの役割を果たしており、心臓から全身に血栓が運ばれるのを防いでいますが、この機能が失われます。


 その結果、静脈側から動脈側に血栓が抜けて脳につまって脳梗塞(のうこうそく)になったり、細菌が脳に到達して脳膿瘍(のうのうよう)(脳のなかに膿(うみ)がたまる病気、図41)などが生じます。

原因は何か

 多くは先天性です。その40〜65%は、常(じょう)染色体優性遺伝である遺伝性出血性毛細血管拡張症(いでんせいしゅっけつせいもうさいけっかんかくちょうしょう)(ランデュ・オスラー・ウェーバー病)で、皮膚、粘膜の動静脈瘻を合併してきます。
 後天性の肺動静脈瘻では、肝硬変(かんこうへん)や外傷などが原因となりえます。

症状の現れ方

 多くは無症状ですが、血痰、呼吸困難、脳梗塞などの中枢神経症状で発見されることがあります。

検査と診断



 胸部単純X線写真では孤立性・多発性の円形陰影を呈します(図42)。確定診断は血管造影で行われます。

治療の方法

 無症状であっても死亡率は10%に達するため、肺動脈(輸入動脈)の径が3mm以上の太さでは、塞栓療法(血管内治療)や手術療法がすすめられます。