肩腱板損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 肩の運動障害・運動痛・夜間痛があります。とくに夜間痛で、「睡眠がうまくとれない」という訴えが多く聞かれます。運動痛はありますが、多くの患者さんは腕(上肢(じょうし))の挙上(きょじょう)は可能です。肩関節周囲炎と異なるのは、拘縮、すなわち関節の動きが悪くなることが少ないことです。他には、挙上するときに力が入らない、あるいは挙上するときに肩の前上面でジョリジョリという軋轢(あつれき)音がする場合もあります。

肩腱板損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 転倒などの急性外傷で損傷した場合には、三角巾で1〜2週間安静にします。
 完全断裂部が自然治癒することはありませんが、痛みなどの症状は注射療法と運動療法などの保存療法で多くの場合軽快します。夜間痛が強い例では水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔薬を肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)内に注射しますが、夜間痛がなくなればヒアルロン酸の注射が行われます。腱板のすべてが断裂することは少ないので、運動療法では残っている腱板の機能を賦活(ふかつ)させる訓練が行われます。
 保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは、手術が行われます。手術では損傷した肩腱板の縫合が、直視下あるいは関節鏡視下に行われます。