分娩麻痺<子どもの病気>の症状の現れ方

 損傷を受けた場所により、上位型(エルブの麻痺)、下位型(クルンプケの麻痺)、全型に分けられます。上位型では肩や肘(ひじ)を動かすことができず、腕全体がだらりとした感じになりますが、指を握ることはできます。下位型では肩や肘を動かすことはできますが、指を動かすことができなくなります。全型では肩、肘、指のいずれも動かすことはできません。また、横隔膜(おうかくまく)神経が近くにあるため、横隔膜の麻痺を伴うことがまれにあります。その場合はチアノーゼ(皮膚などが紫色になること)、呼吸数の増加、呼吸困難がみられます。
 出生直後から、チアノーゼ、多呼吸、陥没呼吸、不規則な呼吸などがみられます。
 ほとんどの場合は片方のみに起こります。麻痺を受けた側の眼が閉じられない、口が引きつり大きく開かない、麻痺を受けた側の口角からミルクをだらだらこぼすなどがみられます。とくに泣いた時にはっきりします。

分娩麻痺<子どもの病気>の診断と治療の方法

 最初の1〜2週間は腕の安静を保ちます。そのあと、関節の拘縮(こうしゅく)(変形して硬くなる)を防ぐためにリハビリテーションを開始します。多くの場合は3〜4カ月で完全に回復しますが、神経の完全断裂によるものでは回復を望めず、手術によって神経を修復することが必要になります。生後3カ月で手首を曲げられない場合、または生後6カ月で肘を曲げられない場合は手術を行うほうがよいとされています。いずれにせよ、整形外科による診断と経過観察が必要です。
 呼吸障害に対しては必要に応じて酸素投与、人工呼吸器などの対症療法を行います。通常は自然に回復しますが、1〜3カ月ほどかかることが多いようです。回復がなければ、横隔膜を縫い縮める手術(横隔膜縫縮術(ほうしゅくじゅつ))が必要になることがあります。
 通常は2〜3週間で自然に治ります。その間は、閉じられないほうの眼の角膜の乾燥を防ぐために点眼を行います。神経断裂によるものは手術を行い、神経を修復する必要があります。