遺伝性球状赤血球症<子どもの病気>の症状の現れ方

 主要な症状は貧血、黄疸(おうだん)、脾臓(ひぞう)の腫大(はれ)です。学童期以降は骨髄(こつずい)での赤血球産生の亢進により代償(だいしょう)されて貧血を認めないこともあります。とくに重要なこととして、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)(リンゴ病)の原因になるヒトパルボウイルスB19に感染すると、急激に著しい貧血(無形成発作(むけいせいほっさ)と呼ばれる)を生じることがありますので、リンゴ病の流行期には注意が必要です。
 赤血球が壊されると黄疸として現れます。約30%で新生児黄疸が強く現れ、光線療法が必要になることがあります。重症の新生児黄疸の場合には交換輸血が必要な場合もあります。また、過剰なビリルビンのため胆石が出来やすくなります。
 脾臓の腫大は乳幼児で50%、年長児で75〜95%にみられます。かぜをひいた時(ほとんどはウイルス感染症)に、脾臓の機能が亢進し溶血が盛んになることがあります(溶血発作)。

遺伝性球状赤血球症<子どもの病気>の診断と治療の方法

 無形成発作による急激な貧血の悪化や、新生児期の重度貧血などには赤血球輸血が必要になります。
 赤血球は主に脾臓で壊されていますので、脾臓を摘出(脾摘(ひてき))すると諸症状が改善します。近年では、腹腔鏡による低侵襲(体を傷つける程度が低い)の脾臓摘出術が可能になっています。ただし、脾臓は免疫(めんえき)臓器の一部であり、とくに乳幼児期は脾摘後に重症細菌感染症(じゅうしょうさいきんかんせんしょう)(とくに肺炎球菌)にかかりやすくなるため、重症例(ヘモグロビン6〜8gdl)でも6歳になるまで脾摘は待つほうが良いと思われます。ただし、頻回に輸血が必要な最重症例では、3歳以前でも脾摘を行うことがあります。
 軽症例では青年期まで待機可能な場合もあります。脾摘後の感染症予防のため、脾摘前の肺炎球菌ワクチン接種と術後のペニシリン予防内服が推奨されています。小児期を過ぎれば、重症感染症の発生頻度は少なくなります。