新生児循環不全とはどんな病気か

 循環不全とは組織への血液循環が不良になった状態です。新生児期は胎児循環から出生後の循環へと劇的に循環状態が変化する時期であることや未熟性の問題などから、容易に循環不全を来します。

原因は何か

 呼吸障害、仮死(かし)、低体温、感染症、心不全、頭蓋内(ずがいない)出血などにより循環不全を発症します。
 動脈管依存性心疾患では動脈管閉鎖に伴って重篤(じゅうとく)な(大変症状の重い)循環不全を来すため、注意が必要です。

症状の現れ方

 新生児の循環不全の特徴は、初期にはその所見がはっきりしないことです。哺乳力が落ち、元気がないといった症状から現れることが多く、その後皮膚は蒼白となり末梢冷感(まっしょうれいかん)や浮腫(ふしゅ)、肝腫大(かんしゅだい)を認めます。頻脈(ひんみゃく)、不整脈、心雑音、多呼吸、努力性呼吸などとともに、血圧は低下し、尿量が減少します。循環不全はさらに全身状態を悪化させ、ショックへと進む場合もあります。

検査と診断

 循環不全が心不全からくるのか、血管内の容量の不足からくるのかを判断します。胸部単純X線、心エコー(超音波)、頭部エコー、心電図、血液検査などが必要です。

治療の方法

 心不全からきたのか、血管内の容量不足からきたのかで治療法は異なりますが、新生児では両者を合併する場合もあります。心不全からきた場合には水分制限を行い、利尿薬、強心薬を投与します。一方、血管内の容量不足からきたものでは、まず生理食塩水を投与して反応をみます。貧血がある場合には輸血、低蛋白血症がある場合にはアルブミン製剤の投与を行います。
 組織での酸素消費量を軽減する目的で、体温は37℃前後に保ち、授乳を禁じます。酸素投与や人工換気療法、さらに鎮静が必要になる場合があります。
 長引く代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾いた状態)は炭酸水素ナトリウム(メイロン)を投与して補正します。さらに、感染症などの原疾患に対する治療も同時に開始します。

新生児循環不全に気づいたらどうする

 元気がなく、四肢の冷感や浮腫、多呼吸が認められる場合は、ただちに小児科を受診してください。