自閉症(自閉性障害)とはどんな病気か

 脳の発達・成熟が障害されることにより、心を通わせることが不自由な、3歳までに発症する神経発達の病気です。子どもの0・1〜0・2%にみられます。
 自閉症の子は、あたかも自分の世界のなかで生きているかのようにみえ、他人に興味を示すことが少なく、社会性に乏しい傾向があります。また、日常生活の決まりにこだわり、奇妙な行動を繰り返します。コミュニケーションが苦手で、視線を合わすことを避け、他人に愛着を示しません。

原因は何か

 はっきりした原因はわかっていませんが、遺伝的な要因によって脳の構造や機能に異常が生じる病気と考えられています。環境要因も発症に関係しますが、親の育て方が自閉症の発症の直接的な原因ではありません。
 身体の病気では、結節性硬化症(けっせつせいこうかしょう)、単純ヘルペスウイルス脳炎、先天性風疹(ふうしん)感染症、フェニルケトン尿症染色体(せんしょくたい)異常(脆弱(ぜいじゃく)X症候群)などに自閉症が合併したという報告があります。

症状の現れ方

 症状の特徴には、大きく分けて次の3つがあります。(1)社会的な交流に乏しい、(2)他人とうまくコミュニケーションができない、(3)興味の範囲が限られ、同じ行動を繰り返す。
 具体的には次のような症状を現します。視線を合わせない、抱かれることを嫌がる、ほかの子どもと遊ばない、耳が聞こえないかのように振る舞う、言葉の発達が遅い、言葉を使って話しかけようとしない、聞いた言葉をそのまま繰り返す(おうむ返し)、手をひらひらさせたり体を揺らしたりする動作を繰り返す、奇妙な遊び方をする、光るものや動くものなど特定のものにこだわる、騒音を嫌がる、日常生活の決まりがあり変化を嫌がる。
 自閉症の子どもは、相手の顔の表情や感情を読み取ることが困難です。話し方や口調のニュアンスも伝わりません。集団で動くことは苦手でひとり遊びを好みます。学習に抵抗を示す一方、数学や音楽、芸術、記憶に非凡な才能をみせます。

検査と診断

 まず、言語や社会性の発達に遅れがあるかどうかを判断します。さらに、出生から現在までの医学的情報、診察所見、血液検査、頭部画像検査、心理発達検査などにより、自閉症かどうか、合併する身体の病気はないか、総合的に診断します。

治療の方法

 自閉症の子どもの基本的な行動の特徴と苦手なところを理解し、年齢や発達水準に合わせた教育、訓練、指導が必要です。刺激の少ない、落ち着いた治療環境で、個別指導と集団指導を組み合わせて生活体験を広げていくようにします。
 年齢が低い間は運動や社会性、言語の訓練、指導を行い、日常生活で自立でき、社会生活に適応できることを目指します。年長になるにつれ、心理面への対応を組み入れていきます。
 パニックと呼ばれる興奮状態に対して、薬物療法を行うこともあります。

自閉症(自閉性障害)に気づいたらどうする

 自閉症の子どもは、愛情を通わせたり示したりすることが苦手ですが、彼らはほかの子どもたちと同じように愛されることを求めています。早期から継続的に治療していくことにより、自閉症の子どもの発達を伸ばすことができます。小児科医、地域の保健機関、療育施設などに相談すれば、適切な診断と指導を受けることができます。