とうごうしっちょうしょう統合失調症<子どもの病気>の症状や原因・診断と治療方法

統合失調症とはどんな病気か

 内因性(ないいんせい)精神病といわれるものに属し、慢性の経過をたどることが多い病気です。発症は10歳以下では極めてまれですが、10歳を過ぎて中学生の年齢になるとまれな病気ではなくなります。一般的には18〜20歳を過ぎると急増するといわれています。

原因は何か

 遺伝子や胎生期(たいせいき)から生後の環境因子も含めて、多くの因子が複雑に絡(から)み合って病気が形成されると考えられています。遺伝的因子に限ってみれば、一卵性双生児の一方が発症した時にもう一方が発症する率は50%前後と、それほど高くはありません。

症状の現れ方

 子どもの統合失調症は、急性の発症よりもゆっくりと発症してくることが多いといわれています。そのような場合では、数カ月から数年にわたって、不登校、強迫症状、うつ状態、摂食障害、問題行動、チックなどいろいろな症状が続いたあとに発症します。
 発症後の症状は、幻聴(げんちょう)(自分の噂話が聞こえるなど)、被害妄想(ひがいもうそう)(悪口を言われている、狙われているなど)、関係妄想(かんけいもうそう)(テレビで自分のことを言っているなど)、独り言、空笑(くうしょう)などが多く、まとまらない言動を示す場合もあります。

検査と診断

 子どもの場合も大人と同じ診断基準を用いているため、診断には幻覚(げんかく)あるいは妄想の存在が重要な要素になっています。そのため、過去の経過、行動や会話のまとまりのなさなどから統合失調症が強く疑われる場合でも、国際的な診断基準を適用すると、統合失調症とは診断できない場合が少なからずあります。そのような場合には、統合失調症のスペクトラム(範囲)にある障害として、統合失調症に準じて慎重に対応し、経過を追います。
 検査は、脳の器質的な障害を除外したい場合には頭部CTあるいはMRI、脳波測定を行います。症状が少し落ち着いた段階で、各種の心理検査を行います。

治療の方法

 薬物療法が中心になります。現在は、従来使用されてきたハロペリドールやクロルプロマジンではなく、より副作用の少ないリスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、ペロスピロン(ルーラン)、アリピプラゾール(エビリファイ)、ブロナンセリン(ロナセン)の6つの新しいタイプの抗精神病薬が、子どもでも第一選択薬になっています。
 急性期を乗り越えたあとは、彼らが学齢期にあるために教育が新たな問題として浮上してきます。各地域の社会的な資源(教育・療育施設や社会福祉制度など)の利用も考慮に入れて、病状に合わせて医師や教師と相談していくことが重要です。

統合失調症に気づいたらどうする

 軽快・再発を繰り返すことが多く、慢性の経過をたどる病気です。長期戦を覚悟しなければなりませんが、発症の初期に適切な治療を行えば、その後の経過は比較的良好である場合が決して少なくありません。
 まず専門医(児童精神科医)の診察を受け、薬物療法の内容について本人と親が納得するまで十分に説明を受けて、治療を開始することが大切です。社会復帰の時期についても、決して焦ることなく主治医と相談しながら進めていってください。

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