睡眠時無呼吸といびきとはどんな病気か

 睡眠時無呼吸は睡眠障害のひとつで、睡眠中の人が何回も呼吸を停止(無呼吸)するものです。睡眠時無呼吸は原因により、閉塞(へいそく)型と中枢(ちゅうすう)型、そしてこれらの混合型の3つに分けられます。

原因は何か

 閉塞型はのどや上気道における通気障害が原因であり、無呼吸の時にも呼吸運動(呼吸時にみられる胸部や腹部の動き)が認められます。一方、中枢型は、脳の呼吸をコントロールする部分の機能不全によって起こり、無呼吸時には呼吸運動は認められません。閉塞型の原因にはアデノイド(咽頭扁桃肥大(いんとうへんとうひだい))、口蓋(こうがい)扁桃肥大、肥満などがあり、この型では睡眠時にいびきが認められるようになります。
 通常、小児科外来で問題となるのは閉塞型、とくにアデノイドや口蓋扁桃肥大による睡眠時無呼吸です。以下ではこれについて説明します。
 もともと口蓋扁桃やアデノイドなどのリンパ組織は、3〜6歳にかけて生理的な増殖・肥大の時期を迎え、その後徐々に萎縮(いしゅく)し、8歳ころまでにそのサイズは比較的小さくなります。大きいだけでは治療の対象にはなりませんが、症状が出る場合には、その大きさのために気道(空気の通り道)を狭窄(きょうさく)し、いびきや睡眠時無呼吸が認められるようになります。

症状の現れ方

 閉塞型でみられる症状は、慢性口呼吸やいびきです。いびきをかいている途中に急にいびきが聞こえなくなる場合には、無呼吸の状態を示します。睡眠時の無呼吸により睡眠が障害されるようになると、眠りが浅くなり、朝の寝起きが悪くなったり、昼間もぼーっとして集中力が低下したりします。

検査と診断

 睡眠時の呼吸状態の検査として睡眠検査(polysomnography: PSG)を行い、重症度の判定をします。これは脳波を含めた総合的な検査ですが、一般の病院では検査ができる施設が限られています。一般的には睡眠中の酸素飽和度のモニタリングと睡眠状態の観察で行われています。口蓋扁桃やアデノイドの肥大の程度は、X線やファイバースコープ検査で判定されます。

治療の方法

 前記の検査で、睡眠時無呼吸が口蓋扁桃やアデノイドの肥大によるものと判断される時には、手術による扁桃やアデノイドの摘出が考慮されます。ただし、もともと扁桃やアデノイドは3〜6歳にかけて大きくなり、その後縮小するので、現在の重症度と年齢から予想される今後の推移を考慮したうえで、手術するかどうか決定されます。
 また、肥満は閉塞型睡眠時無呼吸の危険因子ですので、肥満傾向がある場合には減量がすすめられます。
 手術適応がない場合には、小児に対してもnasal CPAP(continuous positive airway pressure: 経鼻的持続的陽圧呼吸(けいびてきじぞくてきようあつこきゅう))を用いた管理が行われるようになってきています。