心筋炎<子どもの病気>の症状の現れ方

 胸痛のほか、心不全による症状、不整脈による症状があります。心不全による症状は、尿量の低下、浮腫(ふしゅ)(むくみ)、呼吸困難、四肢の冷感、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になること)などで、重症になれば意識や血圧の低下などショック症状になります。不整脈では、動悸(どうき)や失神を起こすことがあります。失神は不整脈の一種である房室(ぼうしつ)ブロックや頻拍(ひんぱく)性の不整脈などで、心臓から送り出される血液量が減るためです。
 さらに注意すべきは、発熱、頭痛、咳(せき)、咽頭痛などのかぜの症状や、嘔吐、腹痛、下痢などの腹部の症状、発疹、関節痛、筋肉痛などが、心不全・不整脈の症状の数日前から現れることが少なくないことです。
 そのため、発症初期にはかぜなど他の疾患との区別が困難なことがありますが、経過するうちにいつものかぜや嘔吐下痢症などより重症感があり、何かおかしいと感じます。胸痛、動悸などは小さな子どもは訴えられないため、この「何かおかしい」という感じはこの病気を見つけるうえで非常に大切です。

心筋炎<子どもの病気>の診断と治療の方法

 心不全に対しては強心薬(カテコラミンなど)や利尿薬、血管拡張薬による治療、房室ブロックによる徐脈には一時的に心臓のリズムを正常に保つ体外式ペースメーカーによる心臓ペーシング、頻拍性の不整脈には抗不整脈薬の投与などを行います。薬物治療に効果がみられない場合には、心機能が改善するまで心肺補助装置という機械によって心臓から送り出す血液を補助します。
 また近年、川崎病の治療に有効な大量の人免疫グロブリン(ガンマグロブリン)投与が心筋炎にも有効との報告があり、著者らも著効例を経験しています。
 心筋炎の予後は、急性期を乗り越えれば比較的良好で、約半数が後遺症を残さずに治りますが、心機能の低下が続く場合もあります。死亡率は10〜15%で、急激に病状が進行する劇症型(げきしょうがた)では予後が悪くなります。死亡は心不全や不整脈が原因ですが、突然死のような形になることもあります。