口唇裂、口蓋裂<子どもの病気>の症状の現れ方

 普通は産まれてすぐに気づかれます。だいたい500〜700の出産例に1人くらいの頻度で現れます。口蓋裂を有する場合、副鼻腔炎(ふくびくうえん)や中耳炎むし歯構音障害(こうおんしょうがい)などにかかりやすいことが知られています。

口唇裂、口蓋裂<子どもの病気>の診断と治療の方法

 口唇裂・口蓋裂の治療は外科的手術だけでなく、産科、小児科、口腔外科、形成外科、矯正歯科、耳鼻科、言語聴覚科などの専門家のチームにより長期にわたって治療が行われます。したがって、チーム医療のできる体制が整っている病院での治療がよいと思われます。2008年12月に日本口蓋裂学会より、口唇裂・口蓋裂の治療プラン全国111診療チームにおける現況が発表されています。すべての施設で同じ時期に、同じ方法で治療が行われているわけではありません。その治療チームの規模や考え方により、治療方法や時期などに違いがあるようです。一般的な治療方法を示します。
 まず、口唇裂・口蓋裂をもつ多くの赤ちゃんは乳を吸う力が弱く、哺乳が困難な場合があるので、口唇裂・口蓋裂用の乳首が使われます。哺乳を補助するためや、あごを矯正するためにホッツ床と呼ばれるマウスピースのようなものを作成し、口蓋裂に装着することもあります。
 生後3カ月くらいで口唇裂の手術を行います。次に1歳から1歳6カ月で口蓋裂の手術が行われます。口蓋の裂けている部分をふさぐだけでなく、正しい発音を身につけられるようにする、食べ物を上手に飲み込めるようにするなどの目的があります。
 4〜5歳頃から言語聴覚士(げんごちょうかくし)により言語発達の管理が行われます。また噛み合わせを正常にしたり、顔のバランスを整えたりするために、歯科矯正(きょうせい)治療が行われることがあります。一般的には学童期から治療が始まります。8〜10歳くらいの間に歯ぐきに骨のない部分(顎裂部(がくれつぶ))がある場合、骨を移植することがあります。
 さまざまな要因により初回手術だけでは、口唇、鼻、鼻の孔(あな)などに変形が認められ、修正手術が必要な場合もあります。修正手術の時期はさまざまですが、成長期が過ぎたころに行われることもあります。さらにこの病気では、上あごの成長がよくないために、相対的に下あごの方が出てしまい(いわゆる受け口)、噛み合わせや外見に支障を来すことがあります。この場合、顔の成長が終わってから、形成手術によって上顎骨や下顎骨を移動させることがあります。