肘内障とはどんな病気か

 日常の場面で幼小児が突然肘を痛がって曲げなくなり、時に上肢全体を麻痺があるかのようにまったく動かさなくなります。反復して起こしやすいので注意が必要ですが、いずれ成長とともに生じなくなります。

症状の現れ方


(1)発病の経緯

 親などが子どもの手を不意に引っ張った時に生じます。橈骨頭(とうこつとう)のごくわずかの亜脱臼が一時的に起こった状態と考えられています。
(2)年齢・性別・左右差
 幼児・小児期にみられ、とくに2〜6歳に多い病気です。性差・左右差はありません。
(3)症状
 患肢(かんし)をだらんと垂らしたまま曲げようとしない、患肢に触れようとすると嫌がり泣き出すといった症状があります。関節腫脹(しゅちょう)、熱感、発赤(ほっせき)などの他覚所見はみられません。

検査と診断

 子どもは疼痛のために恐怖心をもっているので、痛がらない部分から触れ始め、肘が痛い場所なのかどうかを調べます。肘内症は単純X線写真上では変化を認めません。X線検査は本当の脱臼や骨折を区別するのに有用です。

治療の方法

 肘を直角に曲げて手のひらを上に向けた状態から、橈骨頭を押し込むようにしながら、ゆっくりと前腕を内側にひねるように回すことで弾発音(コキッという小さな音)とともに整復されます。整復後の固定は不要です。整復が成功すると、患児は肘を曲げて上肢を使うようになります。