セーバー病とはどんな病気か



 繰り返し圧迫力がかかることによって踵骨(しょうこつ)(図35)への血行が一時的に障害されて生じる踵骨骨端核(こつたんかく)の無腐性壊死(むふせいえし)または骨軟骨炎(こつなんこつえん)です。

症状の現れ方


(1)現病歴

 過激な運動後に踵骨部痛を訴えることが多い傾向があります。
(2)年齢・性別・左右差
 好発年齢は8〜12歳です。踵骨後方結節部の骨端線閉鎖以前に生じ、男性は女性より6倍ほど多く、時に両側性のこともあります。
(3)症状
 疼痛が強いときには、痛みを避けるためにつま先歩きをすることがあります。アキレス腱が踵骨に付着するあたりに腫脹(しゅちょう)がみられ、圧痛があります。アキレス腱を伸長するように足関節を動かすと疼痛が誘発されるため、運動制限がみられます。

検査と診断

 単純X線踵骨側面像で踵骨後端部の骨化核に変化がみられます。経過は長く、治癒したかと思うと再発することがありますが、加療の有無にかかわらず、ほぼ完治する予後良好の病気です。アキレス腱炎アキレス腱周囲炎骨髄炎(こつずいえん)との鑑別が重要で、X線像から鑑別は容易です。

治療の方法

 荷重時に踵骨骨端核にかかる負荷を減らすことが治療の目的となります。疼痛に対しては対症的に治療します。
 症状とX線像の変化とが一致しない場合もあり、X線像からだけでは治療方針は決定できません。疼痛が強い時期には過激な運動を中止し、時に松葉杖を使って負荷を避けます。前足部に重みがかかるように踵(かかと)を高くするなどの工夫をした靴敷きも、踵骨への負荷を緩和するために有効です。疼痛が軽減すればアキレス腱の伸長訓練を行います。