特発性血小板減少性紫斑病とはどんな病気か

 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は後天性の血小板減少に基づく出血性疾患のひとつです。小児では発症から6カ月以内に血小板の数が正常化する急性型が80〜90%を占め、6カ月以上血小板の減少が続く慢性型は10%程度にすぎません。

原因は何か

 急性ITPでは典型的には発症の2〜3週前に先行するウイルス感染症やウイルス生ワクチンの接種歴が認められます。このことから、感染したウイルスとその抗体の免疫複合体が血小板に付着するなどして血小板が感作(かんさ)(感受性のある状態にする)され、網内系(もうないけい)(主に脾臓(ひぞう))で選択的に破壊されると説明されてきました。
 しかし最近では、慢性ITPと同様に自己免疫機序(仕組み)により血小板自己抗体が作られ、抗体の付着した血小板が網内系で捕捉・破壊されるとも考えられています。なぜ自己の血小板に対する抗体が作られるのかは解明されていません。

症状の現れ方

 大小さまざまな皮膚の出血斑が、四肢をはじめ顔面や体にもみられます。痛みやかゆみは一般的には伴いません。血小板の数がより低値の場合は、鼻粘膜や口腔内粘膜からの粘膜出血斑がみられます。最も危険な合併症である頭蓋内出血の頻度は急性ITPの0・5%とまれですが、その40%は4週以内の病初期に発症し、血小板の数も1万μl未満の例がほとんどです。

検査と診断



 それまで健康であった小児に、かぜ症状などの数週後に出血斑がみられた場合は、ITPが疑われ、末梢血検査が必要です。正常な血小板数は15万μl以上ですが、ITPではさまざまな程度に血小板の数が減ります。厚生省(当時)の診断基準(表14)を参考に診断します。骨髄検査の必要性については議論がありますが、他の血小板数低下を示す疾患が少しでも疑われる時には必要と考えられます。

治療の方法

 小児急性ITPの多くは6カ月以内に治る予後良好な疾患ですが、出血症状が強く血小板数が1万μl未満の時にはすみやかに3万μl以上まで血小板数を上昇させることが必要です。
(1)免疫グロブリン大量療法
 すみやかに止血安全域まで血小板数を上昇させたい場合には第一選択となります。従来は400mgkgを5日間投与されていましたが、最近では1gkgの投与も同様な治療効果があるとされ、行われています。
(2)ステロイド薬
 (1)の治療が行えない時などは、プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンの投与が行われます。
 また発症後1年以上経過した慢性のITPで出血症状のため生活に支障を来している場合や、(1)や(2)の治療が日常的に必要な場合で5歳以上であれば、脾臓の摘出が考慮されます。