甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とはどんな病気か

 甲状腺に慢性的に炎症が生じ、甲状腺ホルモンの過剰な生成を生じるもので、20〜30代の女性に最も頻度が高い病気ですが、思春期の女子および男子にもみられます。

原因は何か

 甲状腺の甲状腺刺激ホルモン(TSH)レセプターに対する自己抗体(TRAb)がつくられ、TRAbによって甲状腺ホルモンの過剰な生成が起こります。自己免疫反応が病気の原因です。遺伝因子や環境因子が関係します。

症状の現れ方

 甲状腺機能亢進症の症状は、多汗、頻脈(ひんみゃく)、心悸亢進(しんきこうしん)、体重の減少、易(い)疲労性(疲れやすい)、手指振戦(しんせん)(震え)、集中できない、落ち着かないなどの精神神経症状です。学業成績が低下する例もあります。初期には甲状腺の腫大がないこともあり、小児では眼球突出は成人に比べて低頻度です。
 また、バセドウ病をもつ女性が妊娠した場合、妊娠後期に母体の甲状腺機能が低下すると、出産後の子が甲状腺機能低下症に陥ることがあります。また、母体のTRAbが50%以上の高値の場合、新生児に一過性に甲状腺機能亢進症(新生児バセドウ病)が発症します。

検査と診断

 血中TSH、遊離トリヨードサイロニン(FT3)、遊離サイロキシン(FT4)を調べます。TSHは低下し、FT3、FT4が上昇します。TRAb陽性、甲状腺刺激抗体(TSAb)陽性であれば診断がつきます。マイクロゾームテストやサイロイドテストも高頻度で陽性です。甲状腺腫大の有無は、視診と超音波検査によって行います。

治療の方法

 小児では内服薬が第一選択です。抗甲状腺ホルモン剤のチアマゾール(メルカゾール)の内服を長期的(2〜3年以上)に行います。発疹、発熱、肝障害、顆粒球(かりゅうきゅう)の減少などの副作用に注意する必要があります。症例によってはプロピルチオウラシル(プロパジール)内服、ルゴール液内服、手術、放射性ヨード治療なども行われます。
 花粉症のある例では、春先に花粉症の悪化とともに再発しやすいという報告があります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)に気づいたらどうする

 内分泌疾患の専門外来をもつ小児科を受診します。

関連項目

 慢性甲状腺炎(橋本病)単純性甲状腺腫