肝の腫瘍とはどんな病気か

 子どもの肝臓がんには、主に2歳以下の乳幼児に発病する肝芽腫(かんがしゅ)と、学童期以降に発病する成人型肝がんの2種類がありますが、ほとんどが肝芽腫です。
 肝芽腫は、肝臓にみられる胎児期の未熟な細胞ががん化したものです。他のおなかのがんと同じように、硬いしこりがおなかに触れることで気づかれることが多いようです。病気が進行すると肺に転移し、まれに脳、骨などにも転移します。肝芽腫は大人の肝臓がんに比べると、治りやすいタイプが多くみられます。
 肝芽腫を発生した子どもの数パーセントは、他の先天的な病気や異常を伴っています。最近、低出生体重児(とくに出生体重1000g未満)で生まれた子どもに肝芽腫が発生しやすいことがわかってきました。

症状の現れ方

 初期には肝臓病の特徴である黄疸(おうだん)がほとんどみられず、おなかの盛り上がりや上腹部のしこりで発見されます。進行すると食欲不振、体重減少、腹痛、吐き気、発熱などが現れます。肝芽腫、成人型肝がんとも血液中のα(アルファ)‐フェトプロテインが増えるので、これが診断の手がかりや手術後の再発の目安になります。

治療の方法

 肝臓は再生能力が高い臓器なので、20〜30%の正常な肝臓が残せるようであれば、がんといっしょに肝臓の一部を切除し、手術後に抗がん薬による治療を行います。肝芽腫では抗がん薬治療の効果があるため、最近は手術する前に抗がん薬による治療を行ってがんを縮小させてから、より安全に切除する方法が増えてきました。肝芽腫は早期であれば治癒も期待できます。
 成人型肝がんは抗がん薬の効きが悪く、手術により全摘出できることがほとんどないため、治療が難しいのが現状です。

肝の腫瘍に気づいたらどうする

 他のおなかのがんと同様に、おなかに硬いしこりやふくらみがないか、普段から観察します。おなかが大きいと感じたり、おなかを痛がったらすぐに小児科を受診してください。肝芽腫の場合、たとえ肺に転移があっても抗がん薬による治療の効果があり、肝臓のがんがすべて切除できれば治癒の可能性もあります。