認知症<お年寄りの病気>の診断と治療の方法

 最も肝心なのは早期発見です。早期発見・治療によって認知症にならずにすむこともあります。予防可能な認知症、治療可能な認知症などと呼ばれます。脳外科的疾患、たとえば正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)や慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)などによるものでは脳外科的手術で予防や治療ができます。感染症、内分泌疾患、代謝性疾患、中毒性疾患などによるものでも、各疾患の予防あるいは治療によって認知症になる前の予防も可能ですし、軽いうちならば治療もできます。ですから認知症になったからといっても、必ずしも不可逆的(ふかぎゃくてき)(元の状態にもどらない)ということではありません。
 しかし、原因が不明だったり、よい治療法がないか、あっても不十分な場合も残念ながらまだ多いのです。アルツハイマー病の場合には、治療薬のドネペジル(アリセプト)を早期に使うと、ある期間はかなりの例に効果があることが知られています。しかし、残念ながら効果の程度もこれが効く期間も限度があります。
 「キュア(治療)よりもケア(介護)」といわれるように、やはりケアが重要です。ケアの原則は患者さんの身になって、患者さんと「なじみ」になり、患者さんを叱らず、自尊心を傷つけず、説得よりも納得のケアを心がけることが大切です。