肺炎<お年寄りの病気>の診断と治療の方法

 誤嚥性肺炎は適切な抗生物質の投与で治ることが多いものです。ただし、肺炎の原因である不顕性誤嚥が減らなければ、いったん改善した肺炎が悪化します。そこで、誤嚥を減らす予防策が重要となります。あお向けに寝かして放置していると誤嚥が悪化するので、頭部や上半身をベッドで高くしたり、口腔ケアなどを行うと有効です。口腔ケアは、肺炎の原因となる口腔内の病原微生物を減らし、その結果として肺炎を減らすのに有効です。たとえ歯がなくともブラッシングをしたり、就寝前にポピヨンヨードでうがいすることも有効な方法です。栄養状態の低下、筋力の低下、意識レベルの低下が誤嚥を増やすため、日ごろよりこれらに対処しておきましょう。
 また、嚥下を改善する物質が知られています。アンジオテンシン変換酵素(へんかんこうそ)阻害薬(ACE阻害薬)は、高血圧の薬ですが、嚥下反射物質(substance P)濃度を上昇させて肺炎を予防します。唐辛子(とうがらし)に含まれるカプサイシンにも、同様の作用が認められています。カプサイシンの入った辛いものを食べて嚥下反射あるいは咳(せき)反射を高めておくことは、誤嚥予防、肺炎予防に役立ちます。また、脳梗塞予防薬である抗血小板薬(シロスタゾール)も、嚥下反射を高めて肺炎を予防することがわかってきました。
 加齢とともに増える不顕性誤嚥を完全になくすことは困難ですが、誤嚥を防ぐ対策は無数にあります。自分に合った予防策を立てましょう。