インフルエンザ<お年寄りの病気>の診断と治療の方法

 インフルエンザ予防の基本は、ワクチン療法です。流行状況の把握と予測技術の発達によって、ワクチンの有効性も高まっていますが、ウイルスは、年単位で抗原性が変化する連続抗原変異(小変異)と、数年から数10年単位で突然、別の亜型に代わる不連続抗原変異(大変異)を生ずるため、完全な予防は不可能です。
 新型ウイルスの鳥インフルエンザウイルスについても、世界中でワクチン開発が行われており、実用化は近いが、ワクチン自体の安全性とともに、国民すべてにいきわたるかなど、供給面の問題も残っています。
 また近年、ノイラミニダーゼ阻害薬というインフルエンザ専用の薬(タミフルやリレンザ)が開発されました。この薬はノイラミニダーゼを選択的に阻害することにより、ウイルス粒子の宿主細胞からの遊離・放出を阻止し、ウイルスの増殖を抑制します。発症早期に服薬を開始するほど効果が高くなります。
 ノイラミニダーゼ阻害薬はインフルエンザ予防にも有効です。まだ感染していない高齢者が内服すると、発症しにくくなります。ただし、費用が高く、現時点で予防投与は認められていません。また、鳥インフルエンザでは、ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスが見つかっており、今後、ノイラミニダーゼ阻害薬が効果を発揮しないウイルスの流行が心配されています。
 インフルエンザウイルスは、飛沫感染であるため、人込みに出るのは、危険です。流行期は外出を避け、食料を備蓄して、人との接触を避けることです。外出時には、粘膜(眼球結膜)からの感染があり得るので、マスクをするとともにゴーグルも使用することが予防策として重要になります。また手洗いは、すべての感冒予防策として重要ですが、飛沫感染を主とするインフルエンザ感染については、必ずしも重要性は高くありません。