肝硬変<お年寄りの病気>の診断と治療の方法

 肝硬変になってしまった肝臓は、今の医学では正常な肝臓へはもどりません。そこで、今以上に肝硬変を悪化させないことが最も重要です。
 ウイルス性肝硬変に対しては、厚生労働省の研究班による包括的治療のガイドラインが作成されています。それによると、まず、原因ウイルスの駆除および減少により、肝機能の改善を目指します。
 C型ではインターフェロン、B型ではエンテカビルなどの抗ウイルス薬を使用します。それでもAST、ALTが高い人には、ウルソの内服や強力ネオミノファーゲンCの注射が行われます。血清アルブミン値が低い場合には、分岐鎖アミノ酸製剤(リーバクト)を内服します。
 腹水には、まず安静および水分塩分制限を行います。そして、利尿剤を内服して、おなかの水を減らします。静脈瘤には内視鏡を使い、静脈瘤硬化療法や静脈瘤結紮(けっさつ)術などを行います。肝性脳症では、浣腸やラクツロース(モニラック)の投与を行い、経口不可能な場合にはアミノレバンの点滴が有効です。
 2004年以降、肝硬変に対する生体肝移植が保険適用になっていますが、高齢者では副作用などのリスクが高く、慎重に検討する必要があります。
 家庭では、十分な睡眠と規則正しい生活を心がけましょう。食事はバランスのとれたものをとり、アルコール類は禁止です。たとえば、肉や乳製品などの脂肪の多い食事は避けて、魚や野菜、豆類など良質な蛋白質をとりましょう。また、1日の食事は分割し、食後しばらくは安静にすることも重要です。