貧血<お年寄りの病気>の診断と治療の方法


貧血を見逃さないために
 高齢者の貧血を見逃さないためのポイントは、(1)便の性状の変化(黒色便や血便)に注意すること、(2)健康診断の血液検査(血算)の値に注目すること、の2点です。
 (1)は、高齢者に多い消化管出血を原因とする鉄欠乏性貧血に気づく手がかりとなります。(2)は、貧血の早期発見や、典型的な貧血の症状がない場合の診断に有効です。

貧血の治療には原因疾患の特定が必要
 貧血とは1種類の疾患ではなく、その原因は多様です。貧血の正しい治療のためには、原因疾患の見極めが重要で、治療の方法はひと通りではありません。
 高齢者に最も多い鉄欠乏性貧血では、鉄剤の内服が有効で、貧血の改善が期待できます。しかし、たとえば胃がんからの出血が貧血の原因である場合は、胃がんの外科的切除こそが根本的な治療になります。
 便潜血(べんせんけつ)反応や内視鏡検査を外来で行い、診断が容易につくこともありますが、貧血の原因疾患を特定するために、入院を要することもあります。医師から検査入院を提案された場合は、それが貧血の正しい治療のために必要であることを理解してください。