老人性(萎縮性)外陰炎とはどんな病気か

 閉経後の人や高齢者において、女性ホルモン(卵巣ホルモン)が低下することにより、腟の自浄作用の低下、腟の粘膜や外陰部の皮膚の萎縮がみられるようになります。一般的には腟炎が病変の主体(老人性腟炎)であり、外陰部に単独で炎症がみられることはほとんどありません。

原因は何か

 閉経後、エストロゲンという卵巣ホルモンの分泌が低下することにより、腟の粘膜は萎縮し、菲薄化(ひはくか)していきます。腟内の粘液が減ることにより、乾燥感が生じ、これがかゆみを誘発します。また、腟内の自浄作用に重要な常在菌(腟乳酸桿菌(かんきん):デーデルライン桿菌)が減ることにより、他の細菌感染が起こりやすくなることも、腟炎外陰炎の原因になります。

症状の現れ方

 外陰部の掻痒感(そうようかん)(かゆみ)、性交痛などが外陰炎の症状です。そのほか、腟炎による黄色あるいは褐色・出血性の帯下(たいげ)がみられます。

検査と診断

 内診により、外陰・腟粘膜の状態を観察します。症状や腟粘膜の出血斑などが参考になります。腟分泌物の細菌培養検査により、感染を伴った外陰・腟炎を区別することが可能です。また、腟の出血がある時などは、子宮がん検査(細胞診)も有用です。

治療の方法

 エストロゲン製剤の内服(エストリール錠、プレマリン錠)、もしくは腟坐薬(ホーリン腟錠、エストリール腟錠)が有効です。5〜7日間で多くは改善がみられます。外陰部の炎症に対しては、抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイド薬の軟膏も用いられます。症状がない時には、薬剤を使用しないこともあります。