バルトリン腺炎<女性の病気と妊娠・出産>の症状の現れ方


(1)急性バルトリン腺炎
 まず、排泄管に炎症が起こり、開口部が赤くはれて痛みを感じます。さらに、炎症が深部に及んで、排泄管開口部がふさがると、うみが排泄管内にたまって膿瘍(バルトリン腺膿瘍)を形成します。膿瘍は外側に膨隆(ぼうりゅう)し(ふくらみ)、腫瘤(しゅりゅう)として触れるようになります。
 炎症が進行して腺に及ぶと、はれ、痛みが強くなります。とくに座った時、歩行した時に強い痛みを感じます。この時、腫瘤部分より膿性の分泌物を認めることがあります。その他、外陰部の違和感、発赤、熱感などを自覚します。
 通常は片側に発症しますが、両側の場合は淋菌による病気を考える必要があります。

(2)慢性バルトリン腺炎
 慢性バルトリン腺炎であるバルトリン腺嚢胞は、急性期を過ぎて慢性型に移行したものや、最初から慢性の経過をとるものがあります。
 嚢胞の多くは、炎症の消失後や炎症を繰り返すことによって、排泄管に分泌物がたまって形成されます。このほかに、分娩時の会陰切開(えいんせっかい)や会陰裂傷(えいんれっしょう)の縫合時に、排泄管を結紮(けっさつ)(しばる)することによって起こるものもあります。嚢胞は、大陰唇(だいいんしん)後方の皮下に腫脹(しゅちょう)した腺体や、拡大した排泄管が触知されます。
 症状は軽く、歩行時や性交時の違和感程度です。

バルトリン腺炎<女性の病気と妊娠・出産>の診断と治療の方法

 急性型の炎症では抗生剤の投与を行います。抗生剤は、起炎菌に適合したものを選ぶべきですが、菌の特定に日数を要する時には、一般的な起炎菌に適合するものを選択します。ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系などの薬剤が使われます。
 膿瘍を形成した場合や、慢性型の嚢胞に対しては手術療法を行います。

(1)切開、ドレナージ(排液)
 切開は縦切開で十分な長さに行い、ドレーン(排液のための管)を挿入します。ただし、一時的に症状が消失しても、創縁(そうえん)が癒合(ゆごう)して再発することが多くみられます。

(2)造袋術(ぞうたいじゅつ)
 バルトリン腺の生理的分泌機能を温存することが可能で、性行為を行う患者さんには有効です。小陰唇(しょういんしん)の内側を切開してうみを出したあと、切開部を開いたままの形で縫合し、開口部にする方法です。簡単な手術で効果的ですが、再発することもあります。

(3)摘出術
 再発を繰り返す場合や造袋術が不成功になった場合に行います。出血しやすいなど、手術は必ずしも簡単とはいえません。再発はありませんが、分泌機能がなくなるため、性交障害が起こることがあります。