淋菌性腟炎とはどんな病気か

 淋病(りんびょう)は梅毒(ばいどく)と並んで、古くからよく知られた性感染症のひとつで、本症は淋菌の感染によって起こる腟炎です。抗生剤の使用により減少の一途をたどっていましたが、近年は性行為の多様化や、薬剤耐性菌(たいせいきん)の増加によって著しい増加傾向にあり、クラミジアに次いで多い性感染症になっています。
 性交により感染しますが、幼児や小児の場合は下着や手指からの感染もあります。まず子宮頸管(けいかん)、尿道、バルトリン腺、直腸に感染します。さらに上行感染によって、子宮内膜炎(しきゅうないまくえん)、卵管炎(らんかんえん)、骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)、肝周囲炎(かんしゅういえん)などに進展することもあります。
 また最近は、性行為の多様化により、口を使ったオーラルセックスによる淋菌性咽頭炎(りんきんせいいんとうえん)が増加しています。咽頭の淋菌は、性器の淋菌よりも治療の効果が出にくく、消失しにくいともいわれています。

症状の現れ方

 女性の場合、35〜50%が無症状です。症状は、黄色で膿性の帯下(たいげ)(おりもの)の増加、外陰部の掻痒感(そうようかん)(かゆみ)や灼熱感(しゃくねつかん)、排尿痛などです。子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎を発症すると下腹部痛や発熱を生じます。
 骨盤内の炎症は卵管周囲の癒着を生じ、不妊の原因となることもあります。産道感染により、新生児結膜炎(けつまくえん)を発症することもあります。

検査と診断

 子宮頸部、尿道からの分泌物の観察が重要です。分泌物の顕微鏡による観察と培養を行い、淋菌の証明をします。最近では、酵素免疫法、DNAプローブ法などが普及しつつあります。

治療の方法

 第一選択は、ペニシリン系抗生剤の使用です。セフェム系抗生剤も有効です。感受性があれば、ニューキノロン系も使用します。近年は抗生剤に耐性のある菌が出現しており、治療を困難にしています。

淋菌性腟炎に気づいたらどうする

 ほかの性感染症との合併もまれではないので、症状が現れたら産婦人科を受診してください。