早発月経、遅発月経とはどんな病気か

 10歳未満で初経(しょけい)が起こるものを、早発月経といいます。また、早発月経、乳房発育が7歳未満から始まる、9歳未満で恥毛(ちもう)の発毛が始まる、のいずれかがみられる場合を、早発思春期(そうはつししゅんき)といいます。
 一方、15歳以上で初経が起こるものを、遅発月経といいます。また、遅発月経、12歳を迎えても乳房発育が始まらない、14歳を迎えても恥毛の発毛が始まらない、のすべてをみたす場合を、遅発思春期(ちはつししゅんき)といいます。

原因は何か


早発月経

 早発月経の原因で最も多いものは、性機能を司る中枢である間脳の視床下部(ししょうかぶ)が早期に脳下垂体刺激ホルモンを分泌するようになり、そのため卵巣機能が早期に促進されることです。しかし、視床下部が早期に性中枢としての機能を発揮するようになる原因は解明されていません。
 そのほかに、脳腫瘍(のうしゅよう)や脳下垂体(のうかすいたい)の腫瘍、脳の外傷により卵巣刺激ホルモンが分泌されるようになる場合や、卵巣・副腎(ふくじん)の腫瘍の場合などに月経様出血が現れます。
遅発月経
 遅発月経は、そのまま原発性無月経へと移行するものが多く、原因も原発性無月経と共通です。
 遅発月経のうち原発性無月経へ移行せず、初経が自然に来るもの、すなわち15歳以上18歳未満で初経がみられる女性の多くは、体質性のものであり、明白な原因というものはなく、単に初経の時期が遅れただけと考えてよいでしょう。

症状の現れ方

 早発月経で、月経だけが早発することは少なく、多くの場合、出現時期の差はあれ、乳房発育、恥毛・腋毛(えきもう)の発毛など、ほかの思春期反応もみられます。
 ただし、原因によっては恥毛の発毛のみられないこともあります。また、原因によっては、皮膚のカフェオレ様(よう)といわれる特徴的な斑、卵巣腫瘍による腹部の膨隆(ぼうりゅう)、陰核(いんかく)の肥大がみられることもあります。
 出血は起こったり止まったりすることが多く、出血が一度だけでほかの思春期反応がみられないような場合は、早発月経ではなく外傷も考えられます。
 遅発月経には、それぞれの原因に伴う症状がみられます。最も多いのは単なる初経の遅れで、この場合は、ほかの思春期反応も遅れていることが多いのが普通です。

検査と診断

 考えられる原因に応じた検査を行います。早発思春期の場合、骨の発育も進みすぎてしまって最終的に低身長となることがあるので、骨の発育状況の検査も必要です。

治療の方法

 早発思春期は、同時に起こる骨の成熟を遅らせ、最終身長を伸ばすことを目標として、脳下垂体機能を抑制して女性ホルモンを下げる薬剤による治療を行います。
 ただし、すでに骨の成熟が完了していると考えられる場合は、治療の対象になりません。また、早発思春期の原因によっては、治療は不要で経過を観察するだけのこともあります。
 遅発月経については、原発性無月経の治療に準じます。単なる初経の遅れ、すなわち体質性の遅発月経と考えられる場合は、治療は行わず経過を観察します。

症状に気づいたらどうする

 10歳未満での出血に気づいたら、外傷などによる一度きりのものでないか、乳房・腋毛・恥毛の発育状態はどうかを確認して、早発思春期の可能性があると考えられれば、専門医の診察を受けてください。
 15歳になっても初経が来ない場合は、腟中隔(ちつちゅうかく)や腟欠損など月経血流出路の異常がある時にみられるような、月経と同様に周期的に起こる下腹部痛がないかを確認し、下腹部痛がある時は婦人科を受診します。
 初経を含めて思春期反応がみられないだけで、ほかに異常のない場合は、経過を観察するだけでよいでしょう。

関連項目

 無月経