胞状奇胎とはどんな病気か

 胞状奇胎は異常妊娠のひとつで、受精卵から胎盤のもとになる絨毛組織(じゅうもうそしき)が正常に発育せず、絨毛が水ぶくれの状態(嚢胞化(のうほうか))になるものです。
 全胞状奇胎では、子宮内はブドウの房のように嚢胞化した絨毛組織と出血で充満します。部分胞状奇胎では、一部に正常な絨毛組織や胎児の成分がみられます。
 嚢胞化した絨毛組織は、子宮内から除去することが必要ですが、8%ほどは侵入奇胎(しんにゅうきたい)といって子宮筋内に入り込んで存続したり、3〜5%ほどは胞状奇胎のあとに絨毛がんが発生することもあるため、除去後も経過を観察することが重要です。とくに40歳以上では侵入奇胎、絨毛がんの発生率が上昇します。

原因は何か

 胞状奇胎の絨毛組織の染色体が異常で、全胞状奇胎では精子からきた染色体だけで構成されています。染色体異常のために、正常な組織として発育しません。

症状の現れ方

 妊娠ホルモンが多量に分泌され、つわりが強く出たり、子宮から少量の出血が持続することもあります。妊娠高血圧症候群の症状(高血圧、蛋白尿など)がみられることもあります。

検査と診断

 妊娠のごく初期ではわかりませんが、超音波検査で子宮内を調べると、子宮内に胞状奇胎の小嚢胞が充満しています。
 正常な絨毛組織は妊娠ホルモンを分泌しますが、胞状奇胎も同じホルモンを分泌し、正常妊娠と比べ、非常に多量に分泌することもしばしばです。尿中の妊娠ホルモンを測定することが重要です。

治療の方法

 子宮摘出が安全度の高い方法ですが、子どもが欲しい人や若い人は、子宮内の奇胎組織を子宮口から取り出し、内腔をきれいにする手術をします。
 術後は、尿中または血中の妊娠ホルモンが順調に低下し、再上昇しないか、数カ月以上観察します。