重症妊娠悪阻(つわり)とはどんな病気か

 つわりは、妊娠初期から多くの妊婦さんに起こります。程度や持続期間は個人差も大きく、妊娠のたびに違うこともあります。早ければ妊娠4週ごろから始まり10〜12週ごろにはおさまりますが、16週ごろまで続く場合もあります。
 症状が強い場合を、重症妊娠悪阻と呼んでいます。食事も妊娠初期ではあまり食べられなくて、体重が2〜3kg減ることがありますが、胎児の発育を心配することはありません。

原因は何か

 つわりは、妊娠という特殊な状況が体のなかに生じたために体が起こす反応と解釈され、妊娠性のホルモンが関係していると考えられます。体が妊娠の状態に慣れてくると、おさまると考えられます。

症状の現れ方

 何となく体がだるいという程度から、吐き気、嘔吐の消化器症状が主に現れます。頭痛、下痢などを伴うこともあります。症状が強いと、飲食物を少量しかとれなくなりますが、空腹になると余計に症状が強くなり、少しずつ食べ続けて太ってしまう人もいます。
 症状が強くなると食べられなくなり、体の脂肪を分解してエネルギーに変えるため、分解産物として尿中にケトン体が出現します。水分がとれないために脱水状態になると、尿量が減ることでもわかります。

検査と診断

 妊娠が判明していれば、症状から診断は比較的簡単です。肝機能障害など同様の症状の病気でないことを確認します。尿中のケトン体の量は症状の強さを表します。

治療の方法

 軽度のつわりなら、治療は不要です。重症妊娠悪阻の治療は基本的に安静にして、ストレスを減らし、症状がおさまるのを待ちます。吐き気や嘔吐が強く、水分摂取が不十分なら、点滴で水分と少しの糖分を補給します。ビタミン不足を予防するため、点滴には通常ビタミン類を加えます。
 症状が強い時は入院して点滴を行います。重症妊娠悪阻には制吐薬を使うこともありますが、悪阻そのものを治療する薬はありません。

重症妊娠悪阻(つわり)に気づいたらどうする

 妊娠の可能性がある時には、食欲不振、吐き気などの体調不良がつわりのこともあります。妊娠反応を調べてみるか病院で相談しましょう。
 つわりがある時の食事の基本は、「食べられる時に、食べられるものを、食べられる量だけ」食べることです。妊娠初期に胎児が必要とする栄養は多くありませんから、この時期だけなら多少偏食になっても構いません。できれば、ビタミンや葉酸(ようさん)はサプリメントでもよいので、とるようにしましょう。