弛緩出血<女性の病気と妊娠・出産>の症状の現れ方

 胎盤の娩出後に持続的あるいは間欠的に大量の出血がみられます。出血は突如として起こることもありますが、徐々に始まることもあります。血液は静脈血成分を含むため暗赤色です。触診では子宮は極めて軟らかく、子宮底の確認が困難なこともあります。子宮腔内に血液がたまると子宮底は徐々に上昇し、出血量が多くなるとショック症状も現れます。

弛緩出血<女性の病気と妊娠・出産>の診断と治療の方法

(1)双手(そうしゅ)圧迫法:腟内に挿入した手と腹壁上の手の間に子宮体および子宮頸部(けいぶ)をはさんで、数分から数十分両手で子宮を圧迫します。出血の初期に行われ、出血を未然に防ぐ効果があります。
(2)子宮収縮薬の静脈注射(静注)または筋肉注射(筋注):子宮収縮薬としてはバッカク製剤(主にマレイン酸メチルエルゴメトリン)がよく用いられます。その他オキシトシンの筋注または静注、プロスタグランジンF2α(PGF2α)の静注または子宮筋への筋注があります。
(3)導尿、子宮底の輪状摩擦(まさつ)などを行い、子宮の収縮を促します。
(4)全身管理も重要で輸液をすみやかに行います。出血多量の場合には輸血も行われます。子宮内操作を行うため感染防止の目的で抗生剤も投与されます。
(5)DICが発症した場合には、その治療も開始します。
(6)治療方法の(1)〜(5)を用いても止血が不可能な場合は、子宮全摘除術または腟上部切断術が行われます。