後陣痛とはどんな病気か

 後陣痛とは、分娩終了後の数日間にみられる産褥(さんじょく)初期の子宮収縮に伴う疼痛のことです。生理的な後陣痛はむしろ望ましく、通常は特別な治療を必要としませんが、強い後陣痛は産褥婦にとって非常に苦痛なものであるため、後陣痛の軽減は産褥婦管理のひとつの課題です。

原因は何か

 胎児と胎盤などの付属物が娩出されたあと、急速な子宮収縮が始まります。子宮内圧の消失という物理的原因と、さらにプロスタグランジン、オキシトシンなどの薬剤が関係した急激な子宮収縮とが、後陣痛の原因と考えられています。

症状の現れ方

 産褥数日間にみられる子宮に一致した下腹部痛で、経産婦に症状が強いのが特徴です。授乳により痛みは増します。

検査と診断

 産褥婦が前述した症状を訴えれば、後陣痛と診断されます。しかし、症状が異なる下腹部痛については、産褥子宮付属器炎虫垂炎子宮筋腫(きんしゅ)の変性壊死(えし)、卵巣嚢腫(のうしゅ)の茎捻転(けいねんてん)などを考慮し、内診、超音波断層法、血液検査、腹部X線検査などを行います。

治療の方法

 後陣痛そのものは子宮の回復における生理的現象でもあり、望ましい産褥経過ですが、痛みの強さや痛みへの感受性は人によって異なります。産婦が後陣痛のもつ意義を十分に理解し、痛みから生じる不安が解消できれば特別な治療を要しないこともあります。
 痛みが強くて産後の子宮の回復が良好と判断される場合には、子宮収縮剤の投与を中止します。投与の中止によって疼痛は軽くなります。それでも痛みが強い場合には、抗炎症薬を抗生剤とともに処方されることが多いようです。

後陣痛に気づいたらどうする

 後陣痛は生理的な現象でもあり、あらかじめ母親学級または分娩後の落ち着いた時期にその意義について十分に説明を受け、不安を取り除くことが大切です。産褥期に下腹部痛を起こした場合には、他の疾患ではないことを確認したうえで、前述の治療を受けます。