不妊症<女性の病気と妊娠・出産>の症状の現れ方

 不妊症の現れる頻度は10組のカップルに1組の割合といわれています。この一定期間は、日本では2年以上とされていますが、1年経過したら不妊症の検査や治療を開始することもあります。

不妊症<女性の病気と妊娠・出産>の診断と治療の方法


(1)タイミング療法
 基礎体温法や超音波検査、血中・尿中ホルモンを検査しながら、排卵日を推定し、性交渉のタイミングを図ります。

(2)人工授精
 人工授精とは精液を直接子宮内に注入する方法で、ほかに明らかな不妊原因がない場合や、精子の状態が不良な男性不妊や頸管粘液分泌不全がある場合、またはフーナーテスト不良例、そして性交障害の治療として行われます。夫の精液を注入する配偶者間人工授精(AIH)と、夫以外の精液を用いる非配偶者間人工授精(AID)があります。
 AIHを行う際には排卵日を推定して行いますが、自然排卵がない場合は排卵誘発剤を使います。射精後2時間以内の精液を用いて行いますが、精液を洗浄して運動精子だけを注入します。

(3)内視鏡下手術
 クラミジア感染などの性感染症や子宮内膜症による癒着には、腹腔鏡下癒着剥離術(ゆちゃくはくりじゅつ)や子宮内膜症焼灼術(しょうしゃくじゅつ)を行うことにより、自然妊娠が可能になることがあります。
 子宮内腔の変形・延長を伴う場合や月経困難症などの症状が強い子宮筋腫は、開腹または腹腔鏡を使って筋腫摘出術を行います。粘膜下筋腫に対しては子宮鏡下切除術があります。

(4)補助生殖技術(ART)
 卵管性不妊、男性不妊、免疫性不妊などが対象になりますが、一定期間の不妊治療を行っても妊娠に至らない場合や長期の不妊もARTの対象になります。自然周期では採卵できる卵に限りがあるので、一般的には排卵誘発剤を用います。
 採取した卵を培養液中で受精させた後、受精卵(胚(はい))を子宮内に移植することを体外受精・胚移植(IVF‐ET)といいます。
 顕微授精は、顕微鏡を使って人工的に受精させることで、受精障害や重度の精子減少症の場合に選択されます。卵細胞質内精子注入法(ICSI)と呼ばれるもので、良好な受精率を得ることができます。
 また、胚の凍結保存が可能になっています。多胎妊娠(たたいにんしん)や、卵巣過剰刺激(らんそうかじょうしげき)症候群(コラム)を予防するとともに、余剰胚(体外受精時に余った受精卵)の有効利用などの目的で、採卵周期以後のホルモン補充周期に凍結胚移植(とうけつはいいしょく)が行われます。