症状性精神障害とはどんな病気か

 脳以外の体の病気があり、その影響で脳に障害が起こり、精神症状が現れるものを症状性精神障害ということがあります。主な症状は意識障害で、原則的には可逆的(かぎゃくてき)な経過(元にもどることがある)をたどります。
 これに対して、脳そのものの病変に基づき、認知症(にんちしょう)や人格変化を主症状として、不可逆的な経過をたどるものを狭義の器質性(きしつせい)精神障害と呼んで、この両者を分けて考えることもあります。
 しかし、脳に明らかな損傷のある器質性精神障害も、急性発症の場合は意識障害が出現します。また、症状性精神障害においても、慢性期には認知症人格障害が主症状となって固定し、狭義の器質性精神障害に移行する場合があります。
 したがって、この両者を厳密に区別することは困難であり、最近では両者を一括して器質性精神障害とすることが一般的になってきました。

症状の現れ方

 症状性精神障害の主な症状は、前述したように意識障害ですが、軽度の場合は、いつもよりぼんやりしていて自発性に乏しいと感じられる程度で、しかも症状に波があるために、家族でも意識障害に気がつかないことがあります。
 また、情緒不安定となったり、抑うつ、幻覚(げんかく)、妄想(もうそう)といった精神症状が出現することもあり、この場合は他の精神疾患と誤解されることもあります。

検査と診断

 過去に精神疾患にかかったことがなく、元気に社会生活を送っていた人が、ごく短時間のうちに、普段とは違う行動や言動を示すようになった場合や、とくに理由もなく感情に変化がみられるようであれば、症状性精神障害を疑います。
 さらに、何らかの体の病気があり、その治療中に精神症状が出現した場合は、この障害の可能性が高くなります。

治療の方法

 治療は原因となる身体の病気の治療を行うことですが、処置に一刻を争う場合もあるので、すみやかに専門医の診察を受けることが必要です。詳しくは、器質性精神障害の項を参照してください。