強迫神経症(強迫性障害)<こころの病気>の症状の現れ方

 強迫観念や強迫行為の内容にはさまざまなものがあります。よくみられるのは、
・敵意や衝動に関するもの:たとえば「誤って他人を傷つけたり殺してしまったりしやしないか」などの強迫観念
・不潔や汚れに関するもの:「便、尿、ばい菌などで汚染されたのではないか」などの不潔恐怖を伴った強迫観念、そのため人に近づけない、物に触れないなどの回避行動、触ったあとに何度も手を洗う強迫行為(洗浄強迫)
・詮索癖(せんさくへき):些細なことの理由などをしつこく詮索し、時には質問してまわる
・疑惑癖:自分のしたことが完全だったかどうか、絶えず疑惑が生じてきて何度も確かめないと気がすまない(確認強迫)
・計算癖:物の数や回数が気になって、数えないと気がすまない
などです。
 自分で確認するだけでは安心できず、他人、多くの場合、母親などに何度も確認させ、保証を求める「巻き込み型」(他人を巻き込むという意味)といわれるタイプもあり、重症の患者さんに多くみられます。
 強迫神経症の経過は一般に慢性で、青年期に発症してよくなったり悪くなったりしながら、年余にわたって続くのが普通です。また、半数以上にうつ病が合併してくることも特徴で、そうなると患者さんの苦痛はより大きなものとなり、自殺の危険などへの注意も必要になってきます。

強迫神経症(強迫性障害)<こころの病気>の診断と治療の方法

 治療法には、薬物療法と精神療法があります。
 薬物ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:フルボキサミン〈デプロメール、ルボックスなど〉)、クロミプラミン(アナフラニール)、ベンゾジアゼピン誘導体(クロナゼパム:リボトリール、ブロマゼパム:レキソタンなど)、症状が重い場合は少量の抗精神病薬も用いられます。有効率は50%前後です。
 精神療法では、「曝露反応妨害法(ばくろはんのうぼうがいほう)」と呼ばれる認知行動療法が有効です。強迫症状が出やすい状況に患者さんをあえて直面させ、かつ強迫行為を行わないように指示し、不安が自然に消失するまでそこにとどまらせるという方法です。適応が限られ、まだ専門家が少ないのが難点ですが、薬物と同等以上の効果があるといわれています。