睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気か

 睡眠時無呼吸症候群とは、覚醒時(かくせいじ)には呼吸障害がみられないのに、夜間睡眠中に気道の閉塞によって無呼吸が頻回に起こり、睡眠が障害されてさまざまな症状が現れる疾患です。無呼吸のため、動脈血酸素飽和度が低下するとともに、覚醒反応が生じ、夜間睡眠の分断化、浅眠化(せんみんか)が起こります。
 このような睡眠の質的低下によって、日中に過度の眠気、居眠りが起こります。30〜60歳の男性では4%、女性では2%くらいの頻度でみられます。

原因は何か

 気道の閉塞は、睡眠に伴う筋の緊張低下から、舌がのどの奥に落ち込むことによって起きます。肥満や浮腫(むくみ)、鼻・咽頭部(いんとうぶ)の異常、下あごの発達不全、時にアデノイドや口蓋扁桃肥大(こうがいへんとうひだい)も原因になります。就眠直前のアルコールの飲用や睡眠薬などが舌の落ち込みを促進し、気道閉塞の原因になることがあるので注意が必要です。

症状の現れ方

 数十秒から時には3分に及ぶ気道閉塞による呼吸停止と呼吸再開時の大きないびきが反復して観察されます。無呼吸中は、胸や腹は呼吸しようと動いていますが、上気道の閉塞によって呼吸はできません。
 起床時には無呼吸による浅眠化や中途覚醒により、熟眠困難(じゅくみんこんなん)、倦怠感(けんたいかん)、頭痛などが起こります。日中には、強い眠気、集中困難、注意力の低下などの症状や、抑うつ、不安などが生じることもあります。無呼吸のため、睡眠による休息が不十分となり、高血圧が起こりやすくなります。さらに、肺高血圧、不整脈、心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳梗塞(のうこうそく)などの危険因子ともなります。

検査と診断

 診断には、日中の強い眠気、夜間の不眠(とくに中途覚醒)、大きないびきと呼吸停止などの症状の確認に加えて、睡眠ポリグラフ検査による無呼吸の確認が必要です。

治療の方法

 現在最も広く使われている治療法は、経鼻持続陽圧呼吸(けいびじぞくようあつこきゅう)(CPAP)です。睡眠中、マスクを装着して持続的に陽圧を加え、閉塞した上気道を開く方法です。下あごを前方に移動させる歯科装具を用いて、上気道にすきまをつくって換気を助ける治療法や、外科的手術が行われることもあります。肥満が原因と考えられる場合には、減量指導も行われます。