よく使われる病名ですが、確立した疾患概念や診断基準があるわけではありません。自律神経系の不定愁訴(ふていしゅうそ)があっても、その症状が一般的な疾患概念にあてはまらない場合にこの病名をつけることが多く、いわばゴミ箱病的な扱いを受けている疾病です。


 よくみられる自律神経症状には表20にあげるようなものがあります。自律神経系の症状は、心理・社会的ストレスの影響を受けやすいことや、原因不明の愁訴であることから、心療内科に受診する患者さんに多くみられます。
 よく似た病名として不定愁訴症候群、身体化障害(しんたいかしょうがい)などがあります。最近では医学の発展に伴い、これらの症状のうちまとまりがあるものを、一つひとつの疾患として考えるようになってきています。
 たとえば、起立性調節障害(起立性低血圧)、過敏性腸(かびんせいちょう)症候群、緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)、片頭痛(へんずつう)、メニエール症候群、過呼吸(かこきゅう)症候群、機能性消化不良、逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)などです。