病的骨折とはどんな外傷か

 正常な強度をもっていない骨、すなわち病的な状態にある骨は、普通なら骨折を起こさないような軽微な1回の外力によって折れることがあります。これを病的骨折といいます。正常な骨に繰り返し外力が加わって発生する疲労骨折とは、その形態も経過もまったく違います。

原因は何か

 病的な状態を起こす原因としては、骨の腫瘍、がんの骨転移化膿性骨髄炎(かのうせいこつずいえん)(骨が細菌に感染した状態)、骨系統疾患(こつけいとうしっかん)(先天的な骨の病気で、多くは遺伝性)、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)など難しい病気もありますが、最も一般的なのは骨粗鬆症(こつそしょうしょう)でしょう。
 重い骨粗鬆症になると、つまづいただけで大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折を起こすこともありますし、明らかな外傷を受けた覚えもないのに、脊椎(せきつい)が次々に圧迫骨折を起こす例もめずらしくありません。なかには、階段を上るなどの日常の生活動作において少し脚に力が入っただけで恥骨(ちこつ)が折れる例もあります。

治療の方法

 病的骨折が発生してしまった後の骨折自体の症状や治療は、一般の外傷性骨折のそれらと大きく異なるものではありません。ただし、病的骨折については原因になっている疾患の治療を併せて行う必要があります。
 なお、閉経後の女性に多い骨粗鬆症は、薬や運動療法でその発生や進行を予防できる可能性の高い疾患なので、閉経後の女性は定期的に骨塩量検査を受けることをすすめます。