穿通性心臓外傷<外傷>の症状の現れ方

 穿通性心臓外傷の多くは、心臓外傷危険域(図41)に創(傷)があり、意識障害、頻脈(ひんみゃく)、頻呼吸、四肢冷感および冷汗などのショック症状を示しています。
 心タンポナーデに陥っていれば、ベックの三徴(血圧低下、静脈圧上昇、心音減弱)、頸静脈怒張(けいじょうみゃくどちょう)(頸〔首〕の静脈がふくれる)、奇脈(きみゃく)(呼吸運動に伴い、大きくなったり小さくなったりする脈拍)などがみられます。

穿通性心臓外傷<外傷>の診断と治療の方法

 穿通性心臓外傷は緊急手術が絶対に必要であり、迅速かつ適切な外科治療以外に救命する方法はありません。重いショック状態にあり、手術室まで移送するのが困難な場合には救急室(ER)で緊急開胸を行い、心縫合が行われます。
 心タンポナーデを起こしている場合には、心嚢穿刺(しんのうせんし)(針を刺す)や心嚢ドレナージ(管を挿入して排液する)などを行って一時的に状態の改善を図り、引き続いて開胸手術を行うこともあります。