胸部大血管損傷<外傷>の症状の現れ方

 胸部大血管が損傷されると、血管内の血液が胸腔内あるいは縦隔(じゅうかく)内に流出して循環血液量が著しく減少し、出血性ショックを来します。
 胸痛、顔面蒼白、チアノーゼ(皮膚などが紫色になる)、頻脈(ひんみゃく)および脈拍微弱、頻呼吸、四肢冷感および冷汗などがみられ、症状が進行すれば意識障害や不整脈(ふせいみゃく)から心停止に至ります。

胸部大血管損傷<外傷>の診断と治療の方法

 診断が確定したら、ただちに緊急手術を行います。手術は損傷部を縫合するか、あるいは損傷部を切除して人工血管による置換(ちかん)を行います。
 胸大動脈損傷の手術では、大動脈が遮断されて脊髄(せきずい)への血行や腎への血行が長時間障害されると、対麻痺(ついまひ)や急性腎不全を併発することがあります。そのために、人工血管やシャントチューブを用いた一時的バイパス法、左心バイパス法、部分体外循環法などの補助手段を用い、大動脈末梢の血行を保つ方法が併用されます。
 最近では、損傷した大動脈内に血管内ステントを留置する治療法も開発されています。