足関節捻挫とはどんな外傷か

 足首は最も捻挫しやすい関節です。捻挫は関節周囲の軟部組織(靭帯(じんたい)や関節包(かんせつほう))の損傷の総称なので、単に筋を伸ばしたという程度から、重要な靭帯の断裂までいろいろです。
 そのうえ、X線写真で骨折や脱臼が見つからないと捻挫と診断されるので、実は靭帯付着部の剥離(はくり)骨折、関節の骨と軟骨の骨折なども捻挫と診断されることもあり、それが“捻挫は意外と治りにくい”といわれる理由です。

原因は何か



 足関節捻挫は、足を底屈(ていくつ)して内側にひねった状態で、足の甲の外側に体重をかけた時に起こるのがほとんどです。外果前縁(がいかぜんえん)の外側靭帯(がいそくじんたい)が最も損われやすく、その前下方にある二分(にぶん)靭帯がそれに次ぎます(図54)。
 靭帯はロープのように細い繊維を束ねたような構造なので、その一部が切れて伸びた状態から、全部が切れて断端が離れてしまった状態までさまざまな捻挫があります。関節包は破れ、血管も切れるので、内出血を起こしてはれます。関節を動かしたり、押したりすると痛みがあります。
 骨折ならば離れた場所で骨を押した時にも痛みがあるので、関節を動かさないようにそっと体重をかけてもあまり痛まないようなら、捻挫だと区別できます。痛みやはれが強ければ整形外科を受診し、X線写真で確認します。

治療の方法

 捻挫の治療も程度に応じていろいろです。応急処置としては、固定して安静にし、冷やして持ち上げてはれを防ぐことです。整形外科で骨折がなく、靭帯も切れてはいないと診断されれば、湿布をして弾性包帯やサポーターで固定します。
 正確に靭帯が切れているかどうかを診断するのは、大変難しいことです。痛い関節を無理矢理引っ張ってゆるみをみることから、最新のMRIまで動員しても、100%の診断はつきません。
 したがって、ひねくり回して切れかかった靭帯を切ってしまうよりは、痛みやはれ、内出血の程度からひどい捻挫で靭帯が切れているかもしれないと診断されたら、程度によって3〜6週間、ギプスや装具で固定するのが最善の治療です。
 ギプスを外したあと、支障があればあらためて手術で靭帯を再建します。時間がもったいないという人には、初めから診断を兼ねて手術をして、靭帯が切れていれば縫うという方法もあります。
 X線写真で骨折がない関節の外傷はすべて捻挫と診断されます。すぐに痛みがとれ、はれてこない捻挫から、靭帯が切れて関節が不安定になり、将来、関節が異常にすり減って痛みのために歩けなくなる捻挫まで、さまざまな捻挫があります。
 したがって、捻挫のいちばんの治療は、靭帯の断裂や骨、軟骨の損傷を正確に診断し、それらを捻挫という漠然とした診断から除外することです。