膝内障とはどんな障害か

 膝内障とは、以前は膝関節の嵌頓(かんとん)症状(関節内で半月板や遊離体などが引っかかって屈伸ができない状態)を示す一連の疾患を包括したものでした。医学の進歩とともに膝内障の内容が分析され、いくつかの独立した診断名が確立されました。そして膝内障は、これら数多くの膝関節の損傷・障害の総称として使われるようになりました。
 臨床的に分類すると、(1)半月板(はんげつばん)損傷、(2)靭帯(じんたい)損傷、(3)その他の損傷・障害の3つに分けられます。
(1)半月板損傷
 半月板は膝関節の内側と外側にあり、脛骨(けいこつ)関節面の辺縁部をおおう線維性軟骨です。膝のスポーツ外傷として最も頻度が高い障害です。
 症状としては、膝関節の疼痛、ひっかかり感、嵌頓、関節水症などがみられます。小児期では先天性の円板状半月の損傷があり、明らかな外傷がなくても膝の伸展障害を示します。
 診断は、以前は関節造影が行われていましたが、現在はMRIで診断可能です。治療は、膝関節鏡を使った半月板部分切除術や半月板縫合術を行います。術後の成績は良好でスポーツをすることも可能です。
(2)靭帯損傷
 前項の膝関節捻挫(ねんざ)を参照してください。
(3)その他の損傷・障害
 関節内遊離体(ゆうりたい)離断性(りだんせい)骨軟骨炎、膝蓋軟骨(しつがいなんこつ)軟化症、膝特発性骨壊死(こつえし)、棚障害、関節内腫瘍や腫瘤(しゅりゅう)、大腿四頭筋断裂、膝蓋腱断裂などが含まれます。
 膝蓋軟骨軟化症は若年の女性に多く、膝の前面の痛みが主訴になります。膝特発性骨壊死は60歳以上の女性に多く、膝関節の大腿骨内側顆部(ないそくかぶ)関節面に好発し、夜間痛があり、特徴的なX線像やMRIで診断されます。
 最近は、これらの疾患は一つひとつが独立した疾患として扱われ、膝内障という病名は次第に使われなくなっています。現在ではむしろ確定診断がまだついていない膝の損傷・障害に使い、診断がついた時点で、たとえば半月板が痛みの原因とわかれば、半月板損傷という診断に変えます。