広範囲皮膚剥脱<外傷>の症状の現れ方

 出血、深部組織の露出が生じます。頭皮剥脱の場合、骨膜をかぶった頭蓋骨が露出します。下腿では筋膜あるいは筋肉が露出します。陰茎皮膚では陰茎は深筋膜の深さで傷が露出します。陰嚢剥脱では睾丸(こうがん)と精索(せいさく)が露出します。
 いずれの場合も、剥脱皮膚の一部が元の部分にくっついている場合(不完全剥脱)と、完全に剥脱して体から離れてしまう場合(完全剥脱)とがあります。剥脱部の皮膚血流の不良域は2〜3日後に黒っぽくなります。これは皮膚が死滅することで壊死(えし)といいます。

広範囲皮膚剥脱<外傷>の診断と治療の方法


(1)頭皮
 不完全剥脱で残存部からの血流が十分と判断されれば、剥脱皮膚を元の位置に縫い合わせます。血液環境が不十分な場合は切断された太い動脈、静脈を顕微鏡下でつなぎ合わせます。

(2)下腿
 壊死部分を除去し、遊離植皮(ゆうりしょくひ)、有茎弁(ゆうけいべん)、時には遊離皮弁(ゆうりひべん)などで再建します(図55)。

(3)陰茎、陰嚢
 剥脱した皮膚が使用できる場合は、これを元の状態に縫い合わせます。使えない場合は遊離植皮を行います。