挫滅症候群<外傷>の症状の現れ方

 両下肢の挫滅症候群では、両下肢が麻痺していることから脊髄損傷(せきずいそんしょう)と誤診されることがあるといわれています。しかし、腹壁の知覚鈍麻(どんま)がなく、下肢の知覚・運動障害は少なくとも多少の左右差があること、損傷部がはれていることなどから、区別はそれほど困難ではありません。
 意識がはっきりしていて、血圧が保たれていると、一見軽症にみえますが、崩壊した筋肉から放出される大量のカリウムにより、突然、心停止に陥ることがあります。

挫滅症候群<外傷>の診断と治療の方法

 乳酸加リンゲル液の大量輸液による体液・電解質の補正を行います。高度で持続する高カリウム血症には、緊急の血液透析(とうせき)が必要です。
 損傷肢の腫脹は、時間がたつとともに進行します。組織圧が50mmHgを超えれば減張切開(げんちょうせっかい)(組織の圧力を抜くための切開)を行います。
 外傷を負ってから救出までに時間がかかり、治療が遅れた場合は、軽症でも腎不全が必ず起こります。阪神・淡路大震災では、腎不全に陥ったあと、さらに肺水腫(はいすいしゅ)を合併して被災地の病院から転送されてくる患者さんが多数いました。
 レスピレーター(人工呼吸器)による呼吸管理と人工腎による血液浄化を行うことで、腎機能は通常2〜3週間で回復してきます。