気道熱傷とはどんな外傷か

 気道熱傷とは、熱や煙の吸入により生じた呼吸器系の傷害で、さまざまな原因による傷害がすべて含まれます。その原因により、熱による傷害、煤煙(ばいえん)および煙に含まれる有毒化学物質による傷害に分類されます。
 熱による直接の傷害はのどの奥(咽頭(いんとう)・喉頭(こうとう))までにとどまり、有毒化学物質によるものはそれより先の気管・気管支・肺の傷害が主になります。


 傷害を受ける部位により分類すると、咽頭・喉頭浮腫(ふしゅ)が主体の上気道型、気管・気管支が傷害を受ける気管・気管支型、肺炎が主体の末梢型に分類されますが、後二者の区別は困難な場合もあります(図58)。有毒化学物質のひとつである一酸化炭素による一般化炭素中毒を、気道熱傷の場合に合併することが多いために、気道熱傷のひとつに分類する場合もあります。

症状の現れ方

 上気道型の気道熱傷は、咽頭・喉頭浮腫による上気道の閉塞が起こりやすく、最悪の場合は窒息による呼吸停止をまねくことがあるため、受傷後24時間以内はとくに注意が必要です。
 室内や車内などの閉鎖された空間で火災による熱気や煙を吸入した場合には、皮膚熱傷の有無にかかわらず、気道熱傷を疑わなければなりません。また、一酸化炭素中毒の合併にも注意する必要があり、意識障害が現れることもあります。
 口や鼻の周囲に熱傷がある、鼻毛が焦げている、口腔や鼻腔内にすすがある場合などは、気道熱傷があると考えたほうがよいでしょう。
 さらに、すすの混じった痰、嗄声(させい)(しわがれ声)、喘鳴(ぜんめい)(ヒューヒューといった呼吸音)などがある場合は、気道熱傷の存在は確定的です。