破傷風<外傷>の症状の現れ方

 潜伏期は2日〜8週間であり、一般的に感染から発症までの時間が短いほど、また開口障害から全身けいれんまでの時間(オンセット・タイム)が短いほど高い死亡率を示します。
 典型的な全身のけいれんを示す全身性破傷風、けいれんが創の周囲に限られている限局性破傷風、頭部の創から感染して顔面神経を中心とする脳神経の麻痺を来す頭部破傷風、新生児破傷風に分類されます。
 最も一般的な全身性破傷風では、表10のような経過をたどります。
 第1期では全身の倦怠感(けんたいかん)などの不定愁訴で、この時期の診断は困難です。第2期の顔の筋肉がこわばり、口が開きにくくなる特徴的な症状を牙関緊急(がかんきんきゅう)といい、こわばりから笑っているような顔の症状を痙笑(けいしょう)(ひきつり笑い)といいます。このような症状や所見から、歯科や耳鼻科を受診するケースが多く、破傷風と診断されると集中治療室がある病院へ送られます。この時期での診断とすみやかに治療を開始することが大切です。
 第3期は全身的な筋肉のけいれんが現れる時期で、けいれんして背中が反り返る後弓反張(こうきゅうはんちょう)などの特徴的な症状を示します。呼吸筋のけいれんにより呼吸ができないため、人工呼吸器が必要になります。呼吸や血圧の管理が必要で、ICUなどでの集中治療が必要です。神経に結合した毒素の作用が低下すると、第4期の回復期に入ります。

破傷風<外傷>の診断と治療の方法

 創を開いて洗浄し、壊死(えし)組織や異物の除去を行います。残っている破傷風菌を減らすため、抗菌薬を点滴します。また、抗破傷風ヒト免疫グロブリン(抗毒素血清(こうどくそけっせい))で破傷風がつくった毒素を中和しますが、神経組織にすでに結合した毒素に対しては無効です。
 けいれんに対しては、抗けいれん薬を投与し、呼吸や血圧の管理を中心とした全身管理を行います。