慢性心不全<循環器の病気>の症状の現れ方

 全身に血液がうっ滞する右心不全の症状として、足を中心とするむくみが現れ、体重が増加します。むくみは夕方強くなり、靴がきつくなることで気づくことがあります。
 左心不全の症状としては、呼吸困難、咳、白っぽい泡のような痰です。呼吸困難は階段昇降や坂道で起こり、動悸(どうき)を感じることもあります。
 心不全で特徴的な呼吸困難は、就寝後しばらくして現れる息苦しさです(夜間発作性呼吸困難症)。この症状は起き上がることで軽減します。
 夜間の多尿も、初期の症状として現れます。重症になると尿量は減少します。
 全身的な症状としてよく現れるのは倦怠感(けんたいかん)、疲れやすさですが、消化器症状として食欲不振、腹部膨満感(ぼうまんかん)も起こります。

慢性心不全<循環器の病気>の診断と治療の方法

 一般的な治療としては、安静、飲水・塩分制限、酸素吸入を行います。
 薬物療法としての基本は利尿薬、ジギタリス、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、抗アルドステロン薬を、状態に合わせて段階的に使っていくことです。
 β(ベータ)遮断薬は、低下した心臓の機能を回復させることが証明されていますが、低血圧や徐脈、喘息(ぜんそく)の副作用があるうえ、一過性に心不全を悪化させることがあるので、心不全の状態が安定したところで、慎重に少量から始めて徐々に増やしていきます。
 強心薬は、一時的に心臓のはたらきをよくしますが、長期間使っているとむしろ心不全を悪化させることがわかってきました。
 在宅酸素療法(HOT)も有効です。また、睡眠時無呼吸症候群の人には、持続陽圧呼吸(CPAP)が行われ、心不全の改善にも有効です。
 心不全の原因はさまざまなので、原因に対して治療を行います。虚血性心疾患にはバイパス手術や風船療法による冠動脈血行再建、弁膜症に対する外科治療、不整脈に対する抗不整脈薬、カテーテルアブレーション、ペースメーカーなどです。
 これらの治療でも心不全の改善がみられない重症の患者さんには、心臓移植(コラム)が検討されます。