僧帽弁閉鎖不全症<循環器の病気>の症状の現れ方

 感染性心内膜炎による腱策断裂や急性心筋梗塞(しんきんこうそく)による乳頭筋不全などにより、突然、重症の僧帽弁閉鎖不全症が生じた場合には、急激な肺高血圧、肺うっ血による呼吸困難が現れます。慢性的な場合には、たとえ重症の逆流があっても左心室の機能が十分にはたらいていれば、無症状で運動能力も正常です。このような状態が長く続き、次第に左心室の機能が低下してくると、動作時の息切れや呼吸困難といった左心不全の症状が現れてきます。

僧帽弁閉鎖不全症<循環器の病気>の診断と治療の方法

 重症の僧帽弁逆流があっても、無症状で左心室の機能も正常であれば、半年か1年に1回の心エコー検査による経過観察でかまいません。左心不全症状があれば、利尿薬やジギタリス製剤を用います。
 最近は、長期予後改善のためにアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を併用することもあります。心房細動(しんぼうさいどう)の合併があれば、僧帽弁狭窄症(きょうさくしょう)と同じように抗凝固療法を行います。なお、僧帽弁閉鎖不全症の場合には、感染性心内膜炎の予防、つまり抗生剤の服用が必要になることもあります。
 薬物治療を行っても心不全症状が続く場合や左心室の機能が低下してきた場合には、外科手術が必要になります。外科手術には弁置換術と、自己弁を温存する弁形成術があります。手術には最適な時期があるため、循環器専門医の指示に従ってください。