大動脈弁閉鎖不全症<循環器の病気>の症状の現れ方

 慢性の場合には、左心室は徐々に拡張しますが、長期間、無症状にとどまります。症状は左心室の機能が低下したり、虚血(きょけつ)が現れると明らかになってきます。すなわち、体を動かした時の息切れや呼吸困難、夜間発作性呼吸困難といった左心不全症状や狭心痛(きょうしんつう)が起こってきます。
 急性の場合には、急激な心不全症状が現れます。

大動脈弁閉鎖不全症<循環器の病気>の診断と治療の方法

 急性の大動脈弁閉鎖不全症では、手術が優先されます。慢性の中等症以下の大動脈弁閉鎖不全症では、定期的な心エコー検査と感染性心内膜炎の予防を行います。慢性重症大動脈弁閉鎖不全症では、大動脈弁狭窄症と同様、いつ手術をすべきかが問題になります。無症状で左心室の機能も正常に保たれている場合には、半年ごとの心エコー検査で経過を観察します。ジギタリス製剤や利尿薬のほかにカルシウム拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などを併用することもあります。
 症状が現れたり、症状が現れなくても心エコー検査で左心室内径(とくに収縮末期径)が拡張してきたり、左心室の収縮能が低下してきた場合には、外科手術がすすめられます。あまりにも左心室の機能が低下すると、手術の危険性が大きくなるため注意が必要です。
 上行大動脈の病気の場合も手術をするかどうかは基本的には弁性の場合と同じですが、大動脈に拡張傾向が認められたり、径が50〜55mmを超える場合には、血液の逆流の程度にかかわらず手術がすすめられます。
 手術はほとんどの場合、人工弁による置換術(ちかんじゅつ)です。大動脈弁の逸脱(いつだつ)などでは、弁の修復術が行われることもあります。上行大動脈の病変や拡張が強い場合には、動脈グラフトによる置換術なども併せて行う必要があります。