リウマチ熱とはどんな病気か

 A群β(ベータ)型溶血連鎖球菌(ようけつれんさきゅうきん)による、上気道感染に続発する非化膿性(ひかのうせい)炎症性疾患で、心臓のほかにも関節、皮膚、皮下組織、中枢神経系などに病変が現れます。約半数の場合で心病変が現れるといわれています。

原因は何か

 明らかな原因は不明ですが、A群β型溶血連鎖球菌に感染後の自己免疫反応に関係があるといわれています。すべての溶連菌感染にリウマチ熱が起こるわけではなく、環境因子や遺伝的素因(HLA Bw35、DRW9)の関与も指摘されています。

症状の現れ方



 咽頭痛(いんとうつう)などの上気道炎(じょうきどうえん)様症状のあとに、表20に示したような多様な症状や所見が現れます。
 心炎で重要なのは弁膜の炎症の存在で、心雑音が聞こえます。
 多関節炎は膝、肘、手、足関節など大きな関節に多く発症し、多くの場合、移動性です。
 舞踏病(ぶとうびょう)は独特な不随意(ふずいい)運動で、遅れて現れてくることがあるので注意が必要です。輪状紅斑(りんじょうこうはん)は、主に四肢近位部や体幹部に現れ、かゆみや硬結(こうけつ)(硬いしこり)を伴わないのが特徴です。

検査と診断

 急性期には、血液検査で赤血球沈降速度(赤沈)やCRPなど急性炎症反応の亢進、白血球増多が認められます。


 診断は、A群β型溶血連鎖球菌の先行感染が証明されている場合は、表20に示した基準で大症状が2つ、あるいは大症状がひとつと小症状が2つある時にリウマチ熱と診断されます。
 先行感染を証明するためには、咽頭培養やASOと呼ばれる抗連鎖球菌抗体の検査を、心炎の合併が疑われる場合は心電図と心エコー検査を行い、心筋炎や弁膜症の評価をします。

治療の方法

 リウマチ熱は再発しやすいため、予防的に長期の抗生物質使用が原則で、感染源となりうる慢性扁桃腺炎(へんとうせんえん)、慢性副鼻腔炎(ふくびくうえん)、う歯(むし歯)は治療しておくべきです。
 急性期は原則として入院安静が必要で、心炎を生じた場合は、後遺症がなくても3〜6カ月は激しい運動を禁止します。炎症急性期には大量のペニシリンGを10〜14日間投与し、心炎や舞踏病を合併した場合では副腎皮質ステロイド薬を使用します。
 再燃(再発)予防のため、心炎のない場合でも最低5年間、後遺症のない心炎合併でも20歳になるまで、明らかな弁膜症を残した場合では生涯にわたるペニシリンの内服が推奨されています。ペニシリンアレルギーのある場合は、エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質が処方されます。

リウマチ熱に気づいたらどうする

 通常、小児期にかかることが多いので、小児専門医の診察を受けるようにしてください。