心臓腫瘍とはどんな病気か



 心臓に発生する腫瘍で、心臓自身から発生するもの(原発性心臓腫瘍)とほかのがんが心臓に転移するもの(転移性心臓腫瘍)とがあります。原発性心臓腫瘍の頻度を表21に示しました。最も多い心臓腫瘍は粘液腫(ねんえきしゅ)で、左心房(さしんぼう)内が好発部位です。

症状の現れ方

 腫瘍の大きさや発生部位によって、症状の現れ方が異なります。ほかの病気の検査を行っている時に偶然見つかる場合もあります。粘液腫ではしばしば、貧血、発熱、易(い)疲労感などの全身症状を伴います。腫瘍が大きくなって血液の流れを妨げるようになると、浮腫(ふしゅ)や呼吸困難などの心不全症状がみられます。
 腫瘍が弁にはまり込み失神や突然死を起こしたり、腫瘍の一部がちぎれて脳梗塞(のうこうそく)を生じ、片麻痺(かたまひ)などが出現することもあります。

検査と診断

 心エコー検査で腫瘍の存在部位や大きさを同定できます。CTやMRI検査を行うと、腫瘍の性質や周囲との関連がさらに詳しくわかります。ガリウムシンチグラフィーやPET検査を行い、腫瘍の鑑別診断を行うこともあります。
 粘液腫では、しばしば血液検査で貧血、赤血球沈降速度の亢進、ガンマグロブリン上昇など、慢性の炎症所見が認められます。

治療の方法

 一般的には腫瘍の摘出を考慮しますが、発生部位によっては切除不能な場合もあり、悪性腫瘍では抗がん薬の点滴が行われることもあります。

心臓腫瘍に気づいたらどうする

 心臓腫瘍と診断されたら、循環器内科医や心臓血管外科医を受診し、治療方針を検討します。