心内膜床欠損症とはどんな病気か



 心内膜床とは、胎児期に心臓ができる時の心臓の中心部分のことをいいます(図14)。その心内膜床が欠損する病気という意味です。心房中隔(しんぼうちゅうかく)の最も下端の僧帽弁(そうぼうべん)と三尖弁(さんせいべん)に接する部分と、心室中隔のやはり僧帽弁と三尖弁に接する部分に孔(あな)(欠損)があく病気です。本症は先天性心疾患のなかの2〜5%を占めています。
 また、心内膜床から発生する心臓の部分として三尖弁と僧帽弁がありますが、これらの弁の形成が不完全のままであることから、その結果として僧帽弁や三尖弁の閉鎖不全を高頻度に合併します。心室中隔欠損を伴わない場合には症状は比較的軽く、不完全型といいます。また無脾(むひ)症候群に合併する頻度も高い傾向にあります。

原因は何か

 特別の原因はありませんが、ダウン症候群に合併することが多く、ダウン症候群にみられる心疾患の40%が心内膜床欠損症です。

症状の現れ方

 不完全型心内膜床欠損症では、心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)と同様、通常、乳幼児期には無症状です。心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)を合併する完全型では、生後1カ月以降に肺に流れる血流の量が増え、また肺高血圧を伴うため、そのまま放置すると肺炎を繰り返したり、ミルクを十分飲めなかったりして体重が増えない、寝汗をかく、眠っていても呼吸が速いなどの症状が現れます。不完全型、完全型とも僧帽弁閉鎖不全が合併すれば症状が現れる時期が早まり、重症になります。

検査と診断

 先天性心疾患の専門医の診察を受ければ、心雑音、心電図、X線写真などの特徴から本症が疑われ、心エコー検査を行えば確実に診断できます。

治療の方法

 手術が必要です。不完全型の場合には一次口欠損という心房中隔欠損をパッチで閉鎖します。完全型の場合には一次口に加えて心室中隔欠損もパッチで閉鎖します。僧帽弁閉鎖不全がある場合には、弁形成術をあわせて行います。

心内膜床欠損症に気づいたらどうする

 本症と診断された場合には、信頼できる循環器専門医に相談することをすすめます。